6. 数字を読むときに気をつけたいこと

今回並べた数字には、そろっていない前提がいくつかあります。

まず時点です。国家公務員のモデル給与例は令和7年度、地方公務員給与実態調査は令和7年4月1日現在、賃金構造基本統計調査は令和7年の数値です。人事院は2026年8月7日に給与改定を勧告していますので、国家公務員の水準はこのあと動きます。

次に中身です。賃金構造基本統計調査の賃金は所定内給与額で、残業代と賞与が入っていません。国家公務員の年間給与には期末手当と勤勉手当が含まれます。

生涯年収の試算で月額だけを積み上げたのは、この差をそろえるためです。実際には両方とも賞与が加わりますので、金額そのものはもっと大きくなります。

年収どうしを比べたいときは、この差を必ず確かめてください。

そしてモデル給与例は、その役職に就いた人の例として示されたものです。全員がそこまで昇進するわけではありませんし、実際の支給額は地域手当や扶養手当などで一人ひとり変わります。

会社員側も、部長級の賃金は部長になった人の平均です。同じ会社にいても役職に就かない人のほうが多いことは、前提として押さえておきたいところです。

7. まとめにかえて

国家公務員の平均給与月額は43万9356円、地方公務員の一般行政職は41万3968円、会社員の一般労働者は34万600円でした。

平均だけを見れば公務員のほうが高く出ますが、これは職種の構成や年齢が違うためで、そのまま優劣とは読めません。38年間の生涯年収で比べると、本府省コースの約2億4653万円が最も高く、地方機関コースの約1億5291万円は中企業の会社員を下回りました。

就職や転職を考えるときは、平均値ではなく、自分が就く可能性のある役職と勤務先で比べるほうが実感に近づきます。

公務員の給与は毎年の人事院勧告を経て決まり、秋の給与法改正で確定します。最新の数値は人事院と内閣官房内閣人事局の公表資料で確認してください。

参考資料

太田 彩子