4. 国家公務員24万8729人はどこに集まっているか
水準の高い俸給表は、いずれも対象になる職員が少数です。人数の分布を見ると印象が変わります。
4.1 行政職俸給表(一)だけで56.1%
職員数が最も多いのは行政職俸給表(一)の13万9564人で、全体の56.1%を占めます。いわゆる一般的な事務の職に適用される俸給表です。
次いで税務職俸給表が4万8398人で19.5%、公安職俸給表(二)が2万2812人で9.2%、公安職俸給表(一)が2万2043人で8.9%と続きます。
4.2 上位4つで93.6%を占める
この4つの俸給表を合わせると23万2817人となり、全体の93.6%にあたります。
専門行政職俸給表が7697人で3.1%、医療職俸給表(三)が1757人で0.7%、行政職俸給表(二)が1590人で0.6%、研究職俸給表が1137人で0.5%、指定職俸給表が977人で0.4%でした。
残る11の俸給表を合わせても2754人、1.1%にとどまります。
5. 平均年齢と経験年数も俸給表で違う
金額の差には、そこで働く職員の年齢や経験の長さも関わっています。
5.1 指定職俸給表は平均57.3歳で経験年数33.8年
全俸給表の平均年齢は41.7歳、平均経験年数は19.7年でした。
これに対し指定職俸給表は平均57.3歳、経験年数33.8年です。専門スタッフ職俸給表も55.9歳、32.8年と高くなっています。
給与が高い俸給表は、長く勤めた職員が就く職に対応しているということでもあります。
5.2 行政職俸給表(二)は51.3歳で29.2年
一方、最も平均給与月額が低かった行政職俸給表(二)は、平均51.3歳、経験年数29.2年でした。年齢も経験年数も全体の平均より高くなっています。
年齢が高ければ給与も高いという関係が、俸給表をまたぐと成り立たないことが分かります。
6. この数字を読むときに気をつけたいこと
順位だけを見ると誤解しやすい点を整理します。
6.1 少人数の俸給表は個々の状況に左右される
第一号任期付研究員俸給表は17人、第二号任期付研究員俸給表は23人、教育職俸給表(二)は57人です。
数十人規模の平均は、特定の職員の状況で大きく動きます。俸給表としての水準を示す数字として読むのは適切ではありません。
6.2 地方公務員とは別の調査
この調査の対象は国家公務員です。都道府県や市町村に勤める地方公務員は、総務省の地方公務員給与実態調査で別に集計されています。
6.3 ボーナスは含まれていない
平均給与月額には期末手当と勤勉手当が含まれません。年収で比べたい場合は、別に加える必要があります。
7. まとめにかえて
令和8年国家公務員給与等実態調査によると、俸給表別の平均給与月額は最も高い指定職俸給表が112万5422円、最も低い行政職俸給表(二)が34万8191円でした。差は77万7231円、倍率にして3.23倍です。
全20の俸給表を合わせた24万8729人の平均は43万9356円でした。
ただし水準の高い俸給表はいずれも少人数で、職員の56.1%は行政職俸給表(一)に属しています。上位4つの俸給表で全体の93.6%を占めます。
平均給与月額には残業代とボーナスが含まれていません。比べるときは範囲と人数の規模をあわせて見てください。
「公務員の給与は一律」というイメージを持たれがちですが、実際にはどの俸給表が適用されるかによって水準は大きく変わります。
ニュースなどで公務員の平均給与が話題になるときも、それがどの俸給表・どんな職種を指しているのかを確認しないと、実態とはかけ離れた印象を持ってしまうことがあります。
今回の調査でも、全体平均だけを見ていては分からない差が、俸給表ごとの内訳を確かめることで見えてきました。
給与に限らず、平均値を扱ったニュースに触れるときは、その平均がどれくらいの人数・どんな条件のもとで算出されたものかにも目を向けてみると、数字の受け取り方が変わってくるはずです。
