2. ロック解除番号をどう共有しておくか
最初に確認したいのが、スマートフォンやパソコンのロック解除方法です。
2.1 本人に直接確認するのがいちばん確実
パスコードや指紋・顔認証など、ロック解除の方法を家族の誰かが分かる状態にしておくことを、国民生活センターも事前対策の一つとして挙げています。
本人の目の前で暗証番号を尋ねると身構えられることもあるため、「もしもの時に困らないように」という前向きな理由を伝えたうえで、さりげなく聞いてみるとよいでしょう。
2.2 メモの残し方・保管の工夫
聞き取った番号は、家族の誰か一人だけが知っている状態にせず、信頼できる形で記録しておくことが大切です。
紙のメモに書いて封筒に入れ、本人の意向を確認したうえで保管場所を決めておく、あるいはエンディングノートの該当欄に記入しておくといった方法が考えられます。
スマホ自体にメモを残すと、そのスマホが開けなければ意味がなくなってしまう点には注意が必要です。
3. ネット銀行・証券口座の「有無」を確認する
次に確認しておきたいのが、利用しているネット銀行やネット証券口座の有無です。
3.1 通帳や郵便物だけでは気づけないことがある
店舗を持たないネット銀行やネット証券は、通帳や紙の郵便物が届かないことが多く、家族が後から気づきにくいという特徴があります。
実際、国民生活センターにも、本人のスマホを開けずネット銀行の契約先が分からなくなったという相談が寄せられています。
3.2 サービス名を書き出しておくだけでも十分
難しい手続きをする必要はなく、利用しているネット銀行・証券・キャッシュレス決済のサービス名を、本人と一緒に紙に書き出しておくだけでも十分な備えになります。
仮に口座の存在が分からないまま相続の手続きを進めることになると、金融機関への照会や必要書類の準備など、相応の時間がかかることになります。
一般社団法人全国銀行協会が案内する預金相続の手続きも、金融機関への連絡から書類の提出、払い戻しまで複数の段階を踏む流れになっており、口座の存在が事前に分かっているかどうかで、手間の大きさは変わってきます。
なお、実際の相続手続きは金融機関や制度によって異なるため、詳細は各金融機関や税理士・司法書士等の専門家に確認することをおすすめします。
4. 使っていないサブスクを一緒に見直す
最後に確認しておきたいのが、契約したまま使っていないサブスクリプションの解約です。
4.1 相談件数は増加が続いている
国民生活センターによると、通信販売での定期購入に関する相談件数は、2023年度の8万315件から2024年度は8万9401件、2025年度は9万3065件と増加が続いています。
2026年度も5月末時点ですでに9958件の相談が寄せられており、高い水準が続いている状況です。
定期購入(サブスク)に関する相談件数の推移3/3
LIMO編集部
4.2 解約は「本人と一緒に」がポイント
サブスクは、本人が契約したことを忘れているケースや、無料期間のつもりが自動更新されているケースも少なくありません。
スマホの画面を一緒に確認しながら、契約中のアプリやサービスを洗い出し、使っていないものはその場で解約手続きまで済ませておくと安心です。
本人以外が代わりに解約しようとすると、契約時の情報(メールアドレス・支払い方法など)が分からず手続きが進まないこともあるため、できるだけ本人と一緒に行うのがポイントです。
新しいアプリを入れたり、口座を作ったりすることもあるため、シルバーウィークやお盆など、家族が集まるタイミングで年に一度確認する習慣にしておくと、情報が古くならずに済みます。
「もしも」の話をするのは気が重いものですが、元気なうちに済ませておくことが、結果的に家族みんなの安心につながります。
5. まとめ
シルバーウィークの帰省は、親のスマホとネット口座を確認する良い機会です。
ロック解除番号の共有、ネット銀行・証券口座の有無の確認、使っていないサブスクの解約という3つは、いずれも難しい手続きを伴わず、親子で話しながら進められる作業です。
今回帰省できない場合も、電話で少しずつ確認する、次の連休に持ち越すなど、無理のない範囲で取り組んでみてください。
参考資料
- 総務省「令和6年通信利用動向調査」
- 独立行政法人国民生活センター「今から考えておきたい「デジタル終活」-スマホの中の"見えない契約"で遺された家族が困らないために-」
- 独立行政法人国民生活センター「通信販売での定期購入」
- 一般社団法人全国銀行協会「預金相続の手続の流れ」
和田 直子
