2. ゆうちょ銀行や地元の金融機関の使いやすさも根強い人気

特典の大きさだけでなく、日々の使いやすさを重視して年金受取口座を選ぶ人も多くいます。

ゆうちょ銀行は全国に郵便局・ゆうちょ銀行の窓口やATMが多数あり、郵便局内・ゆうちょ銀行店舗内のATMであれば土日祝日の預け入れ・引き出し手数料が無料(硬貨を除く)になるなど、身近さを生かした使いやすさがあります。

また、長年付き合いのある地元の銀行であれば、窓口での相談がしやすい、通帳のみでも手続きができるといった安心感を理由に選ばれることもあります。

和田直子
年金受取口座を選ぶときは、特典の大きさだけでなく、公共料金の引き落としや日々の買い物での使いやすさもあわせて考えたいところです。

たとえば、自宅や勤務先の近くにATMや窓口があるか、家計管理に使っているほかの口座と紐づけやすいかといった視点も、長く付き合ううえでは見落とせないポイントになります。

3. 一度登録した年金受取口座でも変更できる

すでに年金を受け取っている場合でも、受取口座はあとから変更することが可能です。

3.1 変更に必要な書類・手続き方法

年金受取口座を変更するには、「年金受給権者 受取機関変更届」という書類に必要事項を記入し、お近くの年金事務所、または街角の年金相談センターに提出します。

届書には、変更後の金融機関名・支店名・口座番号や、基礎年金番号(またはマイナンバー)などを記入します。

原則として変更後の金融機関の証明を受ける必要がありますが、年金事務所へ通帳を持参する場合や、通帳の写し(金融機関名・支店名・口座番号・口座名義人のフリガナが分かる部分)を添付する場合は、この証明を省略できます。

なお、変更先をすでに登録済みの公金受取口座にする場合は、この金融機関の証明や通帳の写しの添付そのものが不要になり、オンラインでの手続きも利用できます。

3.2 手続きの際に注意したいポイント

手続きの時期については、次の年金の支払日の1カ月以上前までに済ませておくことが推奨されています。

また、貯蓄預金口座は年金受取口座として指定できません。

口座名義のフリガナが日本年金機構の記録と一致していない場合も、振り込みができない点に注意が必要です。

変更後は、実際に新しい口座への入金が確認できるまで、これまでの口座も解約せずに残しておくと安心です。

年金受取口座を変更するときに押さえておきたいポイント2/2

年金受取口座を変更するときに押さえておきたいポイント

LIMO編集部作成

年金の受け取り先を何度も変更すると、支払日に希望する口座で受け取れなかったり、振り込みが遅れたりすることがあるとも案内されているため、変更は余裕を持って行いたいところです。

4. 年金受取口座を公金受取口座に指定する方法もある

年金受取口座は、国(デジタル庁)が運営する「公金受取口座」に指定することもできます。

公金受取口座とは、一人一口座を国に任意で登録しておくことで、年金をはじめとした複数の公的な給付金等の受け取りに共通して使える口座のことです。

2025年6月からは、年金の請求手続きとこの制度の連携が始まっており、年金請求書の「公金受取口座の登録意思」欄に記入することで、年金請求と同時に登録できるようになっています。

すでに公金受取口座を登録済みで、それを年金の受取先として利用する場合は、この欄への記入は不要です。

登録した口座情報はマイナポータル等で一元的に管理でき、年金以外の給付を受け取る際にもあらためて口座情報を届け出る手間が省けるという利点があります。

5. まとめ

年金受取口座は、金融機関によってポイントや金利優遇、手数料優遇などさまざまな特典が用意されている一方、使い慣れた銀行やゆうちょ銀行の利便性を重視する選び方もあります。

どの金融機関を選んだ場合でも、年金受取口座はあとから変更することができ、「年金受給権者 受取機関変更届」を年金事務所等に提出することで手続きが可能です。

あわせて、公金受取口座として登録し、年金を含む複数の給付の受け取りをまとめて管理するという選択肢もあります。

参考資料

和田 直子