個人向け国債の記事では利率が話題になりますが、実際にどれだけ買われているのかはあまり見かけません。
財務省が公表している個人向け国債の発行額の推移によると、2026年9月発行分の発行額は1兆729億882万円でした。2026年1月から9月までを合わせると7兆2696億円になります。
この記事では、販売が始まった2003年からの年間発行額を並べて、いまの水準がどのあたりにあるのかを確認します。
なお、個人向け国債の商品性については、下記の記事より一部を引用・参照しています。
1. 個人向け国債の2026年の発行額は9か月で7兆2696億円になった
まず、直近の発行額から確かめます。
1.1 2026年9月発行分だけで1兆729億882万円
2026年9月発行分の発行額は1兆729億882万円でした。1か月あたりで1兆円を超えたのは、2026年に入ってから8月と9月の2回です。
2026年1月から9月発行分までを合計すると7兆2696億円になります。2025年の1年間の発行額は5兆2803億円でしたので、9か月ですでに前年を上回りました。
1.2 内訳では固定5年が最も多い
2026年9月発行分の内訳は、固定5年が5996億5832万円、変動10年が3315億2196万円、固定3年が1417億2854万円です。固定5年が全体の55.9%を占めています。
個人向け国債は額面1万円から1万円単位で購入でき、募集の価格は額面金額100円につき100円です。この発行額は、そうした買い方の積み上げということになります。
2. 個人向け国債の発行額は2006年の7兆5605億円が最も多かった
次に、販売開始からの24年分を年ごとに並べます。
2.1 2010年には年9037億円まで落ち込んだ
個人向け国債の販売は2003年3月に始まりました。2003年は3月からの10か月で1兆9555億円、翌2004年は6兆4514億円と一気に伸び、2006年の7兆5605億円が年間では最も多い金額です。
その後は減り続け、2010年には9037億円まで落ち込みました。2006年の8分の1ほどの水準です。
2.2 2025年の5兆2803億円を、2026年は9か月で上回った
2010年を底にして、発行額はゆるやかに戻ってきました。2019年に5兆551億円まで回復したあと、2021年には2兆9552億円まで下がり、そこから再び増えています。
2025年は5兆2803億円、2026年は1月から9月発行分までで7兆2696億円です。年間で最も多かった2006年の7兆5605億円に近づいています。
3. 個人向け国債の2026年10月発行分は固定5年が年2.24%である
いま募集されている回号の条件も確かめておきます。
3.1 固定3年は年1.96%、変動10年は年1.95%
2026年10月発行分、つまり2026年9月3日から9月30日まで募集されている回号の利率は、固定5年(第186回)が年2.24%、固定3年(第196回)が年1.96%、変動10年(第198回)が年1.95%です。
変動10年の適用利率は基準金利に0.66を掛けて決まり、固定5年は基準金利から0.05%、固定3年は基準金利から0.03%を差し引いた値です。3タイプに共通して年0.05%の下限があります。
2026年9月18日、日本銀行は、金融政策決定会合で、政策金利を1.0%程度から1.25%程度に引き上げることを決定しました。これにより、ますます個人向け国債への関心度が高まっていくと考えられます。


