4. 遺族厚生年金を受け取れる要件と、遺族の範囲
加給年金額が止まったあとに受け取る遺族厚生年金についても、条件を確認しておきます。
4.1 受給要件は短期要件3つと長期要件1つ
短期要件は、厚生年金保険の被保険者である間に亡くなったとき、厚生年金の被保険者期間に初診日がある病気やけがが原因で初診日から5年以内に亡くなったとき、1級・2級の障害厚生年金を受け取っている方が亡くなったときの3つです。
長期要件は、老齢厚生年金の受給資格を満たした方が亡くなったときの1つです。短期要件にあたる場合だけ、被保険者期間が300月に満たなくても300月とみなして計算します。
4.2 受け取れるのは5つの立場の遺族
配偶者・子・父母・孫・祖父母の5つの立場に限られます。子のある配偶者から順に優先順位が決まっており、子のない夫、父母、祖父母は55歳以上の方に限られます。
4.3 中高齢寡婦加算が付く場合もある
夫が亡くなったときに40歳以上65歳未満で生計を同じくしている子がいない妻には、中高齢寡婦加算として年63万5500円が加わります。亡くなった夫の厚生年金保険の被保険者期間が20年以上の場合に限られます。
5. 通知書で確かめておきたい3つの数字
夫が亡くなったあと、手元の書類で確かめられることがあります。
5.1 夫の年金に加給年金額が付いていたかどうか
夫が受け取っていた年金額の内訳に、配偶者の加給年金額と特別加算が含まれていたかを見ます。含まれていれば、その分は夫の死亡によって無くなります。
5.2 自分の老齢基礎年金に振替加算が付いているかどうか
妻自身の年金額の内訳に振替加算があるかを確認します。生年月日が昭和41年4月1日までであれば対象になりえます。
5.3 夫の老齢厚生年金の報酬比例部分がいくらだったか
遺族厚生年金の額は、この報酬比例部分の4分の3で決まります。夫の年金額そのものの4分の3ではないので、内訳の欄を見てみましょう。
数字が読み取りにくいときは、年金事務所で内訳を確かめられます。
6. 止まるのは夫に付いていた上乗せ、続くのは自分に付いた上乗せ
夫が亡くなると、夫の老齢厚生年金に付いていた配偶者の加給年金額は支払われなくなります。特別加算を含めると、昭和18年4月2日以後に生まれた方で年42万3700円にあたる部分です。
これに対して振替加算は、妻自身の老齢基礎年金に付いている加算なので、夫が亡くなったあとも続きます。額は妻の生年月日で決まり、令和8年度は昭和36年4月2日から昭和41年4月1日までに生まれた方で年1万6335円です。
どちらの年金に付いている加算なのかで扱いが分かれます。通知書の内訳を見て、分からない点は年金事務所で確かめてみましょう。
参考資料
村岸 理美