5. 手取りをちゃんと把握していない?家計の起点づくりに悩む人へのアドバイス。IFA・神田 翔平が伝えたいこと
家計を見直したいというご相談で、最初につまずくのが「自分の手取りがいくらか分からない」という点です。
給与明細を見てはいても、額面と手取りのどちらを基準に考えればよいのか整理できていない方は少なくありません。ここでは、実際のご相談を組み合わせて再構成した内容をもとに、家計の起点の作り方を整理します。
5.1 ご相談で多いお悩みは「額面と手取りのどちらで家計を考えればよいか分からない」

5.2 【IFA・神田 翔平が回答】年間の手取り総額から始めて、月あたりに割り戻す
順番としては、まず1年間の手取り総額を出すところからです。毎月の振込額を12カ月分と、賞与の振込額を足してください。源泉徴収票があれば、支払金額から所得税と社会保険料を引いた金額でも近い数字が出ます。次に、その年間手取りを12で割ります。ここで出た金額が、賞与も含めてならした毎月の実力値です。多くの方は月々の振込額だけを見ているので、この数字より低く見積もっています。最後に、1年間の支出総額を同じように出して並べる。この2つがそろえば、年に何十万円残っているのかがはっきりします。家計の起点はここです。
実際に貯蓄に回せる金額がわかってくると、具体的にどんな手段を将来の資産形成に使っていくことができるのかが考えやすくなります。
流動性高く積立していく部分と、ある程度強制力を持って貯めていく部分で分けて考えましょう。
6. 額面ではなく手取りで見通しを立てる
今回は、平均年収400万円で38年間勤務した場合の年金額と、実際の受給者のデータを確認してきました。
試算では、厚生年金と国民年金を合わせて年額約163万円、月額約13万6000円という結果でした。実際の受給者を見ると月額15万円以上が49.8%を占める一方、13万円に届かない人も約38.7%います。年金額の個人差は小さくありません。
そして、この金額は額面です。税金と社会保険料が引かれるため、手元に残るのは10〜15%ほど少ない金額になります。
まずは、ねんきん定期便やねんきんネットでご自身の見込み額を確かめてみてください。そのうえで、そこから1割から1割5分を引いた手取りの目安を出し、いまの1カ月の支出と並べる。この作業をすると、老後にいくら足りないのかが数字で見えてきます。
不足を埋める手段としては、NISAやiDeCoといった税制優遇制度を使う方法や、家計の見直し、長く働いて厚生年金の加入期間を伸ばすことなどがあります。
額面ではなく手取りで考える。この一点を変えるだけで、見通しの精度はかなり上がります。まずはご自身の数字を確かめるところから始めてみてはいかがでしょうか。
