4. 経過的職域加算額を受け取れるのは5つの立場の遺族

経過的職域加算額には、受け取れる遺族の範囲と順番が定められています。

4.1 配偶者・子・父母・孫・祖父母の順に決まる

国家公務員共済組合連合会によると、受け取れるのは亡くなった当時にその方によって生計を維持していた配偶者、子、父母、孫、祖父母です。

この5つの立場には順番があり、父母は配偶者または子が受給権を取得したときには対象になりません。孫は配偶者、子または父母が受給権を取得したときに外れ、祖父母はさらに孫が受給権を取得したときに外れます。

配偶者のうち夫は55歳以上に限られ、父母と祖父母も55歳以上であることが条件です。

4.2 子と孫は18歳到達年度の末日までが目安

子と孫については、18歳に達した日以後の最初の3月31日までの間にあってまだ配偶者がない方が対象です。

20歳未満で障害等級2級以上の障がいの状態にあり、現に婚姻していない方も対象に含まれます。

4.3 夫・父母・祖父母は60歳まで支給が止まる

夫、父母または祖父母が受け取る経過的職域加算額は、その方が60歳に達するまでの間は支給が停止されます。

ただし夫については、同じ事由による遺族基礎年金の受給権があるときは支給の停止は行われません。

子が受け取る経過的職域加算額は、配偶者が受給権を有する間は原則として支給が停止されます。

4.4 公務上の死亡は公務遺族年金として別に定められている

ここまでは公務外の死亡の話です。公務による傷病で亡くなった場合には、公務遺族年金という別の給付が定められています。

地方公務員共済組合連合会によると、公務遺族年金には最低保障額があり、103万8100円に各年度の国民年金法の改定率を乗じた額から厚生年金相当額を控除して計算されます。なお通勤災害は対象になりません。

5. 遺族厚生年金の請求はワンストップサービスでどの窓口でも受け付ける

加入していた制度が複数にまたがる方ほど、どこに請求すればよいか迷いやすくなります。

5.1 一元化後の厚生年金に関する届書はどの窓口でも出せる

日本年金機構によると、統一後の厚生年金に関する届書等は、ワンストップサービスとして日本年金機構または各共済組合等の実施機関のどの窓口でも受け付けます。

一方、平成27年9月以前に受給権が発生した共済年金に関する届出は、一部の届出を除いて各共済組合が届出先になります。

5.2 遺族基礎年金だけを請求するときは市区町村役場の窓口

遺族基礎年金の請求書の提出先は、日本年金機構によると住所地の市区町村役場の窓口です。

亡くなった日が国民年金第3号被保険者期間中であった場合は、年金事務所または街角の年金相談センターが提出先になります。

遺族厚生年金もあわせて請求するときの提出先は、年金事務所または街角の年金相談センターです。

5.3 共済組合の期間は共済組合に確かめる

ねんきん定期便に載るのは老齢年金の見込額で、遺族年金の額は載っていません。

公務員だった期間の記録は共済組合が持っていますので、平成27年9月30日までの組合員期間が何年何か月あるかは共済組合に確かめてみませんか。

6. 公務員だった方の遺族厚生年金は共済組合の期間も確かめる

平成27年10月の一元化によって、公務員だった方の遺族が受け取る2階部分は遺族厚生年金に統一されました。

それでも平成27年9月30日までの共済組合の期間には経過的職域加算額が残っており、共済組合から別に支払われます。

乗じる割合は令和7年10月1日以後の死亡で30分の29、令和8年10月1日以後の死亡で30分の28と、1年ごとに下がっていきます。

まずは亡くなった方の共済組合員期間がいつまであったかを書き出し、年金事務所か共済組合の窓口に持っていくところから始めてみませんか。

参考資料

村岸 理美