公務員や私立学校の教職員だった配偶者が亡くなったとき、遺族が受け取るのは遺族厚生年金だけではありません。
平成27年10月に被用者年金制度が一元化され、共済年金は厚生年金に統一されました。それでも平成27年9月30日までの共済組合の期間には、共済組合から支払われる部分が残っています。
この記事では、その部分にあたる経過的職域加算額の中身と、令和8年10月1日から額に乗じる割合が下がる経過措置を確認していきます。
1. 遺族基礎年金は年84万7300円、遺族厚生年金は報酬比例部分の4分の3
はじめに、遺族が受け取る公的年金の基本を確認します。
1.1 遺族基礎年金の額と子の加算額
日本年金機構によると、令和8年4月分からの遺族基礎年金は、昭和31年4月2日以後生まれの方で年84万7300円です。
昭和31年4月1日以前生まれの方は年84万4900円になります。
ここに子の加算額が上乗せされます。第1子と第2子は1人につき年24万3800円、第3子以降は1人につき年8万1300円です。
受け取れるのは、亡くなった方に生計を維持されていた子のある配偶者または子です。
1.2 遺族厚生年金の額の決まり方
遺族厚生年金の額は、亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3です。
厚生年金の被保険者期間が300月に満たない場合は、300月とみなして計算されます。
2. 平成27年10月の一元化で遺族共済年金は遺族厚生年金になった
ここからが、公務員だった方の場合に特有の部分です。
2.1 共済年金は厚生年金に統一された
日本年金機構によると、平成27年10月1日に被用者年金一元化法が施行され、厚生年金と共済年金に分かれていた被用者の年金制度が厚生年金に統一されました。
これにより、公務員だった方の遺族が受け取る2階部分は遺族共済年金ではなく遺族厚生年金になりました。
あわせて、共済年金にあった公的年金としての3階部分、いわゆる職域部分は廃止され、新たに年金払い退職給付が創設されています。
2.2 長期要件の遺族厚生年金は実施機関ごとに決定される
実施機関とは、厚生労働大臣(日本年金機構)、国家公務員共済組合、地方公務員等共済組合、私立学校教職員共済を指します。
日本年金機構によると、長期要件の遺族厚生年金は、各加入期間ごとに各実施機関が決定し支払います。
会社員の期間と公務員の期間の両方がある方については、遺族厚生年金が複数の実施機関から別々に支払われることになります。
一方、短期要件の遺族厚生年金は、死亡日に加入していた実施機関が計算し決定して支払います。
3. 経過的職域加算額は令和8年10月1日から30分の28になる
廃止された職域部分は、平成27年9月30日までの期間についてだけ経過的職域加算額として残っています。
3.1 共済組合の期間がある方の遺族に支払われる
地方公務員共済組合連合会によると、平成27年9月30日以前の共済組合員期間を有する方が、初診日が平成27年10月1日より前にある傷病により亡くなった場合、または初診日が平成27年10月1日以後にある公務外の傷病により亡くなった場合が対象です。
この経過的職域加算額は遺族厚生年金とは別に、共済組合から支払われます。
3.2 もとの額は職域部分の4分の3で、そこに割合を乗じる
地方公務員共済組合連合会は、旧職域加算遺族給付について「平成37年10月1日以後の死亡については、退職共済年金に係る職域部分の年金の75%(3/4)の額から1年間に30分の1ずつ低減され、平成46年10月1日以後の死亡に係る旧職域加算遺族給付については、50%に見直される経過措置が設けられています」と説明しています。
平成37年10月1日は令和7年10月1日、平成46年10月1日は令和16年10月1日にあたります。
国家公務員共済組合連合会は、公務外の死亡について、亡くなった日ごとに乗じる割合を次のように示しています。
【亡くなった日と、経過的職域加算額に乗じる割合】
- 令和7年10月1日から令和8年9月30日:30分の29
- 令和8年10月1日から令和9年9月30日:30分の28
- 令和9年10月1日から令和10年9月30日:30分の27
- 令和10年10月1日から令和11年9月30日:30分の26
- 令和11年10月1日から令和12年9月30日:30分の25
- 令和12年10月1日から令和13年9月30日:30分の24
- 令和13年10月1日から令和14年9月30日:30分の23
- 令和14年10月1日から令和15年9月30日:30分の22
- 令和15年10月1日から令和16年9月30日:30分の21
- 令和16年10月1日以後:30分の20
最後の30分の20を職域部分の4分の3に乗じると2分の1になり、連合会が示す50%と一致します。
公務員だった期間がある方は、年金の記録が日本年金機構と共済組合に分かれています。どちらの期間がいつからいつまでかを先に書き出してから窓口に行くようにしています。
