4. 遺族基礎年金を受けている世帯で、児童扶養手当の差額は出るのか

ここからは、実際に額を当てはめて差額が出るかどうかを見ていきます。

4.1 子1人なら月4万2875円の開きがある

遺族基礎年金の子1人分は月9万925円、児童扶養手当の全部支給は月4万8050円です。

差は月4万2875円で、年金のほうが高くなります。年金額が手当額を下回っていないため、この場合に差額分の児童扶養手当は支給されません。

子2人の場合は月11万1241円と月5万9400円、子3人の場合は月11万8016円と月7万750円で、いずれも年金のほうが高くなります。

4.2 差額が出るのは年金の月額が手当の月額を下回るとき

児童扶養手当の受給資格者は、母や父だけではありません。祖父母などの養育者も受給資格者になります。

養育者が低い額の老齢年金を受け取っている場合は、その年金の月額と手当の月額を比べることになります。年金のほうが低ければ、その差額分の手当が支給されます。

また児童が遺族年金などを受け取れる場合も差額支給の対象になりますが、こども家庭庁は差額の計算が複雑になるとして、住所地の市区町村への問い合わせを案内しています。

4.3 手当の一部が支給停止になっているときは停止後の額で比べる

児童扶養手当には受給資格者本人の前年の所得による制限があり、所得に応じて一部支給になります。

この場合は満額ではなく一部支給停止後の額が比較の対象です。手当額が下がるぶん、年金額との差も変わります。

5. 遺族年金と児童扶養手当は請求する窓口が違う

遺族年金と児童扶養手当は所管が異なるため、請求する先も分かれています。

5.1 遺族基礎年金だけを請求するときは市区町村役場の窓口

日本年金機構によると、遺族基礎年金の請求書の提出先は住所地の市区町村役場の窓口です。

ただし亡くなった日が国民年金第3号被保険者期間中であった場合は、年金事務所または街角の年金相談センターが提出先になります。

遺族厚生年金もあわせて請求するときの提出先は、年金事務所または街角の年金相談センターです。

5.2 児童扶養手当は住所地の市区町村へ申請する

児童扶養手当は住所地の市区町村への申請が必要です。認定請求書のほか、戸籍謄本など支給要件に該当する事実が分かる書類、世帯の状況や所得の状況が分かる書類を添えます。

こども家庭庁は、市区町村では差額分の手当の対象になる方を把握できないため、それぞれの家庭に手続きの案内をすることができないと説明しています。

遺族年金を受け取っている世帯でも、まずは市区町村の窓口で相談してみませんか。

受給が決まったあとも、毎年8月に世帯の状況や所得の状況を確認する現況届の提出が必要です。

6. 遺族年金と児童扶養手当は月額をそろえて比べる

遺族基礎年金と児童扶養手当は、どちらか一方しか選べないものではありません。年金の月額が手当の月額を下回るときは、その差額分の手当が支給されます。

令和8年度の額で並べると、遺族基礎年金を受け取れる世帯では年金のほうが高く、差額は出ない計算になります。

一方で、養育者が低い額の老齢年金を受け取っている場合や、児童が遺族年金を受け取れる場合は、比べてみる意味があります。

まずは手元のねんきん定期便や年金証書で額を確かめ、月額に直したうえで市区町村の窓口に持っていくところから始めてみませんか。

参考資料