4. 20歳未満の9万2356人は、子として受け取っている

高齢層に偏っている一方で、年齢階級の一番下にもまとまった人数があります。

4.1 0歳から19歳が9万2356人

0歳から19歳の受給権者は9万2356人で、全体の1.5%にあたります。内訳は0歳から4歳が2838人、5歳から9歳が1万2436人、10歳から14歳が3万505人、15歳から19歳が4万6577人でした。

年齢が上がるほど人数が増えるのは、親を亡くしてから受給が始まり、そのまま続いている方が積み上がるためと考えられます。

4.2 15歳から19歳の4万6577人が、20歳から24歳では75人になる

目を引くのが、その次の階級での落ち込みです。15歳から19歳の4万6577人に対し、20歳から24歳は75人しかいません。

日本年金機構は、遺族厚生年金の対象となる子について、18歳になった年度の3月31日までの方、または20歳未満で障害等級1級・2級の方としています。この年齢を過ぎると子としての受給権はなくなります。

20歳から24歳に残っている75人は、子としてではなく配偶者などの立場で受け取っている方が多いと読み取れます。

4.3 子の加算額も同じタイミングで変わる

額の面でも、同じ区切りが影響します。遺族基礎年金の子の加算額は、加算の対象となる子がいる間だけ加わるものだからです。

子が18歳になった年度の3月31日を過ぎると、その子の分の加算はなくなります。子が1人だけの場合は、遺族基礎年金そのものを受け取れなくなることもあります。

受け取れる期間が決まっている以上、いつまで続くのかを早い段階で確かめておくと、その後の家計の見通しが立てやすくなります。

5. 【元公務員の実感】窓口には、通知を何通も抱えて来る方が多かった

受給権者の6割が80歳以上という数字は、自治体の窓口で会っていた年代とほぼ重なります。

5.1 書類の種類が多く、どれが何の通知か分かりにくい

元公務員として国民健康保険と後期高齢者医療制度の担当をしていた頃、窓口には封筒を何通も抱えて来られる方がよくいました。

年金の通知、保険料の決定通知、医療費の負担割合のお知らせが別々に届くため、どれが何の書類なのか分からなくなってしまうのです。

私が説明できるのは保険料の計算根拠までで、年金の種類や額そのものは日本年金機構の担当になります。それでも、書類を仕分けるところまでを一緒にやると、次にどこへ行けばよいかがはっきりすることは多くありました。

5.2 【確認したいこと】3つの窓口で聞けることを分けて考える

遺族年金にかかわる疑問は、窓口ごとに答えられる範囲が違います。持ち込む前に分けておくと、行き来を減らせます。

  • 年金事務所・街角の年金相談センター:遺族年金の受給要件、額、請求の手続き、ほかの年金との調整
  • 市区町村の国民健康保険・後期高齢者医療の担当:保険料の計算根拠、負担を軽くする制度、資格の切り替え
  • 市区町村の税務担当:住民税の課税・非課税の判定

年金事務所は電話での予約相談を受け付けています。基礎年金番号が分かるものと本人確認書類を用意して、あらかじめ予約しておくと待ち時間を抑えられます。

遺族年金は、家族構成や年齢、ほかに受け取っている年金によって結論が変わります。年代別の分布はあくまで全体の傾向ですから、ご自身の場合については窓口で確かめてみてください。

6. まとめ

令和6年度末現在の遺族年金受給権者620万2286人のうち、65歳以上が572万1920人で92.3%を占めていました。最も多いのは80歳から84歳の128万9124人で、80歳以上を合わせると377万4919人、全体の60.9%にあたります。

一方で、0歳から19歳にも9万2356人がいます。15歳から19歳の4万6577人が20歳から24歳では75人になるのは、子としての受給権が18歳になった年度の3月31日で区切られているためです。

遺族年金は高齢期に長く受け取る方が多い制度である一方、子の側では受け取れる期間が決まっています。まずは手元の通知で今の状況を確かめて、分からない部分を窓口に持ち込むところから始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料

太田 彩子