4. 平均と中央値のどちらを目安にするか

2つの数字が出てきたとき、どちらを自分の見込みに重ねればよいのか迷うところです。

4.1 平均は低い階級に引っ張られている

今回の分布では、1万円未満の階級に65万6669人がいます。この層があるために、平均年金月額8万2209円は真ん中の水準より低く出ています。

「平均くらいは受け取れるだろう」と考えると、実際には真ん中よりも低い水準を想定していることになります。

4.2 中央値は分布の真ん中を示す

中央値の約8万6900円は、受給権者を額の順に並べたときにちょうど真ん中に来る人の水準です。裾の大きさに左右されにくい数字といえます。

ただし、この中央値は年報が公表している数字ではありません。累積構成比からLIMO編集部が算出したものですので、目安として扱ってください。

5. 自分の遺族年金の見込みは年金記録から確かめる

分布はあくまで全体の姿です。自分の家庭がどのあたりになるのかは、記録から確かめるほうが確実です。

5.1 遺族厚生年金は配偶者の記録で決まる

遺族厚生年金の額は、亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3です。自分の記録ではなく、配偶者の記録がもとになります。

ねんきん定期便やねんきんネットで配偶者の見込額を確認しておくと、目安が立てやすくなります。

5.2 遺族基礎年金が加わるかどうかで額は変わる

年報の数字には遺族基礎年金が含まれています。18歳になった年度の3月31日までにある子がいるかどうかで、受け取る額の構成は変わります。

分布のどのあたりに入るかを考えるときは、子の有無もあわせて見ておきたいところです。判断に迷ったら、年金事務所や街角の年金相談センターで確かめておくと安心です。

6. まとめ

令和6年度末現在の遺族年金の受給権者は620万2286人、平均年金月額は8万2209円です。階級別の累積構成比をたどると、50%を超えるのは8万円以上9万円未満の階級で、中央値は約8万6900円と算出されます。

平均が中央値を下回っているのは、1万円未満の階級に65万6669人(10.6%)という大きな裾があるためです。分布は単純な釣鐘型ではなく、低い側と8万円台の2か所に人数の山があります。

平均という1つの数字だけでは、この形は見えません。自分の見込みを考えるときは、配偶者の年金記録にあたるのが近道です。

参考資料