4. 子のない妻に遺族基礎年金が支給されない理由
遺族厚生年金の5年の期限を考えるうえで、もう一方の遺族基礎年金の対象範囲も知っておくと理解しやすくなります。
4.1 遺族基礎年金を受け取れるのは子のある配偶者と子だけ
日本年金機構は、遺族基礎年金の対象者を「死亡した方に生計を維持されていた」うちの「子のある配偶者」と「子」に限っています。
ここでいう子は、18歳になった年度の3月31日までにある方、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある方です。
子のない妻はこの範囲に入らないため、遺族基礎年金は支給されません。受け取れるのは遺族厚生年金だけということになります。
4.2 子がいた妻も、子の年齢で対象から外れる
令和8年4月分からの遺族基礎年金の額は、昭和31年4月2日以後生まれの配偶者で年84万7300円に子の加算額が加わります。子の加算額は1人目と2人目が各24万3800円、3人目以降が各8万1300円です。
この遺族基礎年金は、子が18歳になった年度の3月31日を過ぎると受け取れなくなります。
そのときに妻が30歳に達していなければ、記事の前半で確認した2つ目の起算日が動き出すことになります。
5. 5年の起算日は年金証書と年金決定通知書で確かめる
自分がどの区分にあたるのかは、手元の書面で確かめられます。
5.1 受給権を取得した日は書面に記載されている
遺族厚生年金の請求後には、年金証書と年金決定通知書が届きます。受給権を取得した年月がそこに記載されていますので、数え始めの日はこの書面で確認できます。
遺族基礎年金もあわせて受け取っていた方は、その受給権が消滅した時期の通知も残しておくと、あとから経緯をたどりやすくなります。
5.2 読み方に迷ったら年金事務所で確認する
起算日の判断は、夫が亡くなった日、そのときの妻の年齢、子の有無という3つの条件が組み合わさります。書面を見ても判断が付かないときは、年金事務所か街角の年金相談センターで確認するのが確実です。
相談の際は年金証書と通知書を持参すると話が早く進みます。家族にも書面の保管場所を伝えておくと、あとで探す手間が省けます。
6. まとめ
遺族厚生年金は、子のない妻の場合、夫が亡くなったときの年齢で扱いが分かれます。30歳未満なら5年間、30歳以上40歳未満なら期間の制限はなく加算もなし、40歳以上65歳未満なら中高齢寡婦加算として年額63万5500円が加わります。
5年の数え方は2通りあり、遺族基礎年金を受け取っていたかどうかで起算日が変わります。2028年4月の見直しを待つまでもなく、いまの制度にも期限が置かれている区分があるということです。
自分がどこにあたるのかを書面で確かめ、必要なら年金事務所に相談しておくと、先の見通しが立てやすくなります。