総務省統計局は令和8年9月4日、家計調査報告の2026年7月分を公表しました。二人以上の世帯の消費支出は1世帯当たり30万1245円で、前年同月比は実質3.6%の減少です。

物価を除いた実質で減っているということは、使った金額そのものは大きく変わらなくても、買えている量が減っているということになります。

年金で暮らす世帯にとっては、この変化がそのまま家計の余裕に響きます。この記事では、65歳以上の夫婦のみ無職世帯の家計収支をおさえたうえで、直近の消費支出の動きを確認していきましょう。

1. 65歳以上の夫婦のみ無職世帯はひと月4万2434円の赤字

まず、年金で暮らす夫婦世帯のひと月の家計を見ていきます。総務省統計局の家計調査報告(家計収支編)2025年平均の数値です。

1.1 収入の約9割が社会保障給付

収入は25万4395円で、そのうち22万8614円が社会保障給付です。主に公的年金にあたり、収入の約9割を占めています。

一方で支出は29万6829円です。消費支出が26万3979円、税や社会保険料にあたる非消費支出が3万2850円という内訳になります。

収入から支出を差し引くと、ひと月4万2434円の赤字です。この不足分は貯蓄を取り崩して埋めることになります。

1.2 消費支出の内訳で最も大きいのは食料

消費支出26万3979円の中身を見ると、いちばん大きいのが食料の7万8964円です。

次いでその他の消費支出が5万1341円、交通・通信が3万1325円、教養娯楽が2万6538円、光熱・水道が2万3540円と続きます。

消費支出に占める食料の割合であるエンゲル係数は29.9%です。可処分所得に対する消費支出の割合を示す平均消費性向は119.2%で、手取りをすべて使ってもなお足りない状態を表しています。

65歳以上の夫婦のみ無職世帯のひと月の家計収支と、消費支出の内訳1/2

65歳以上の夫婦のみ無職世帯のひと月の家計収支と、消費支出の内訳

出所:総務省統計局『家計調査報告 家計収支編 2025年平均結果の概要』をもとにLIMO編集部作成

2. 2026年7月の消費支出は実質3.6%の減少

ここからが今回公表された数値です。9月4日に出た家計調査報告の2026年7月分を見ていきます。

2.1 金額は30万1245円

二人以上の世帯の消費支出は、1世帯当たり30万1245円でした。

前年同月比は実質で3.6%の減少、名目では1.5%の減少です。前月比は季節調整値の実質で0.5%の増加となっています。

2.2 名目と実質の差が物価の上がり方を表す

名目は実際に支払った金額の増減、実質はそこから物価の変動を除いた増減です。

今回は名目が1.5%の減少なのに対し、実質は3.6%の減少でした。この2.1ポイントの開きが、物価が上がった分にあたります。

支出した金額の減り方より、買えた量の減り方のほうが大きいということです。年金のように収入が固定されている世帯ほど、この差の影響を受けやすくなります。