5. 1年働くと年金はどれくらい増えるのか

在職定時改定でどれくらい増えるのかは、働いていた期間の報酬で決まります。計算のしかたから見ていきましょう。

5.1 報酬比例部分の計算式で決まる

平成15年4月以後の加入期間は、平均標準報酬額に1000分の5.481を掛け、加入月数を掛けて計算します。

この式に当てはめると、標準報酬月額20万円で12か月働いた場合、増える年金額は年1万3154円です。月あたりにするとおよそ1096円になります。

標準報酬月額30万円なら年1万9732円です。賞与を含めない前提でのLIMO編集部の試算になります。

5.2 毎年積み上がっていく

在職定時改定は毎年行われるので、働き続けるかぎり1年ごとに加算されていきます。

1回あたりの増え方は大きくありませんが、70歳まで働けば5回分が積み上がる計算です。

なお、在職老齢年金の仕組みによって年金の一部または全部が支給停止になっている場合は、増えた分の受け取り方も変わります。自分の場合がどうなるかは年金事務所で確かめてください。

6. 平均額を自分に当てはめる前に確かめたいこと

紹介した金額はあくまで平均です。自分の受け取る額は加入の履歴で決まります。

6.1 ねんきん定期便とねんきんネットで見込額を確認する

自分の年金見込額は、毎年誕生月に届くねんきん定期便や、ねんきんネットで確認できます。

平均額と自分の見込額がずれていても、加入期間や報酬が違えば当然のことです。まずは自分の数字を押さえるところからになります。

6.2 額面と手取りは違う

年金は額面のまま受け取れるわけではありません。

受け取るときには税金や社会保険料が差し引かれます。国民健康保険料や後期高齢者医療保険料、介護保険料などが年金から天引きされる仕組みです。

平均年金月額を家計の前提に置くときは、そこから引かれるものがあることも見込んでおきましょう。

7. まとめ

令和6年度末現在の平均年金月額は、65歳から69歳で厚生年金15万1753円、国民年金6万1240円でした。全体の平均は厚生年金15万289円、国民年金5万9310円です。

男女別に見ると厚生年金は男性16万9967円、女性11万1413円で5万8554円の差があります。一方、国民年金の差は4013円にとどまります。

働きながら年金を受け取っている65歳以上70歳未満の方は、毎年10月分から在職定時改定で年金額が見直されます。反映されるのは12月の支払分からです。

平均額は自分の見込額とは別物です。ねんきん定期便やねんきんネットで自分の数字を確かめたうえで、家計の計画を立ててみてください。

参考資料

村岸 理美