大切な家族を亡くしたとき、生計を維持されていた遺族には「遺族基礎年金」が支給されます。
この遺族基礎年金を受け取っている人の中には、あわせて「遺族年金生活者支援給付金」を受給できる人がいます。
2026年度の給付基準額は月額5620円で、複数の子が遺族基礎年金を受給している場合は、この金額を人数で按分した額がそれぞれに支給される仕組みです。
本記事では、2026年度の給付額を子が1人・2人・3人のケース別に確認したうえで、支給要件や申請方法をわかりやすく解説します。
基礎年金を受給中で新たに対象になった人には、2026年9月から請求書が順次届きますが、提出のタイミングによって受け取れる月分が変わる点にも注意が必要です。
1. 遺族年金生活者支援給付金の給付額(2026年度)
はじめに、2026年度における遺族年金生活者支援給付金の金額を確認しましょう。基準額そのものの金額と、子が複数いる場合の按分の考え方の2つに分けて見ていきます。
1.1 基準額は月額5620円
2026年度の遺族年金生活者支援給付金は、月額5620円が基準額です。
この基準額は毎年度、物価の変動にあわせて改定されます。
給付金は年金と同じ偶数月の15日に、前2カ月分がまとめて支給されます。
1.2 子が2人以上いる場合は人数で按分
遺族基礎年金を受け取れるのは「子のある配偶者」または「子」ですが、2人以上の子がそれぞれ遺族基礎年金を受給している場合、遺族年金生活者支援給付金は5620円を子の数で割った金額が1人ずつに支給されます。
子が1人だけの場合は基準額どおりの5620円がそのまま支給されますが、子が2人なら1人あたり2810円、子が3人なら1人あたり1873円になります。
3人で按分する場合、5620円÷3人の計算結果は1873.33…円となりますが、1円未満の端数(33銭)は50銭未満のため切り捨てられ、1873円になります。
逆に端数が50銭以上1円未満になる場合は、1円に切り上げて計算します。
遺族基礎年金だけでは生活費として心もとないという世帯に、税財源による上乗せという形で届けられる給付金であり、対象になる場合はためらわずに受け取ってよいものだと考えてください。
特に子が複数いる家庭では、1人あたりの金額が数千円規模に按分される分、実際にいくら届くのかが分かりにくくなりがちです。ご自身の世帯の人数にあてはめて、まずは金額のイメージを持っておくとよいでしょう。
2. 遺族年金生活者支援給付金の支給要件
次に、どのような人が遺族年金生活者支援給付金の対象になるのか、支給要件を確認します。
2.1 対象になるための2つの条件
遺族年金生活者支援給付金は、以下の要件をすべて満たす人が対象です。
1つ目は、遺族基礎年金の受給者であることです。
2つ目は、前年の所得が491万8000円以下であることです。
この2つをどちらも満たしていない場合は、支給の対象になりません。
2.2 所得の判定で気を付けたいポイント
2つ目の要件にある「前年の所得」を計算する際には、いくつか気を付けたい点があります。
まず、遺族年金など年金そのものの非課税収入は、この所得の判定には含まれません。
また、扶養親族等の数に応じて、所得の基準額は増額されます。
具体的には、扶養親族が1人増えるごとに基準額が38万円加算され、70歳以上の同一生計配偶者や老人扶養親族がいる場合は48万円、特定扶養親族や16歳以上19歳未満の扶養親族がいる場合は63万円が加算されます。
世帯の状況によって基準額が変わるため、扶養親族が複数いる家庭では、単純に「491万8000円」だけで判定せず、加算後の基準額で確認することが大切です。
3. 遺族年金生活者支援給付金の申請方法
遺族年金生活者支援給付金は、要件を満たしていても自動的には支給されず、申請が必要な給付金です。申請の流れは、これから遺族基礎年金を受け取る人と、すでに受け取っている人とで異なります。
3.1 これから遺族基礎年金を受け取る人の場合
これから遺族基礎年金の受給を始める人は、年金の請求手続きとあわせて、年金生活者支援給付金の請求書に必要事項を記入し、提出します。
年金の請求手続きと同時に行うため、給付金だけを別に申請する必要はありません。
3.2 すでに遺族基礎年金を受給している人の場合(9月の請求書)
すでに遺族基礎年金を受け取っている人が、所得の低下などにより新たに支給要件を満たした場合は、日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が送られてきます。
2026年度は、2026年9月1日から対象者へ順次発送されています。届いたはがきに必要事項を記入し、目隠しシールを貼って切手を貼り、投函すれば手続きは完了です(電子申請での提出も可能です)。
ここで注意したいのが、提出のタイミングと受け取れる月分の関係です。日本年金機構に届くのが早ければ、受理した月の翌月分から支給が始まりますが、多少提出が遅れても、2027年1月4日(月)までに日本年金機構に届けば、さかのぼって2026年10月分から受け取ることができます。
一方、2027年1月4日を過ぎて提出した場合は、さかのぼりが認められず、請求した月の翌月分からの支給となってしまいます。
なお、一度請求書を提出すれば、支給要件を満たし続ける限り、2年目以降の手続きは原則不要です。
「請求書(はがき型)」提出のタイミングと支給開始月2/2
出所:日本年金機構「令和8年度の年金生活者支援給付金請求書(はがき型)の送付について」、日本年金機構「手続きが遅れると年金生活者支援給付金は受け取れなくなりますか。」をもとにLIMO編集部作成
実際には、2027年1月4日という期日までに日本年金機構に届きさえすれば、2026年10月分からさかのぼって受け取れます。多少提出が遅れてしまっても、慌てて諦める必要はありません。
とはいえ、さかのぼれる期間には限りがあります。はがきが届いたら、後回しにせずできるだけ早めに記入・投函しておくと安心です。
