3. 新窓販国債と個人向け国債、何が違う?

利率だけを見ると新窓販国債のほうが高く見えるケースもありますが、両者には購入できる人や中途換金のルールに大きな違いがあります。

3.1 購入できる人・購入単位の違い

個人向け国債は個人のみが購入でき、額面金額1万円から1万円単位で申し込めます。一方、新窓販国債は法人も購入可能で、申込み単位は額面金額5万円からの5万円単位と、個人向け国債よりまとまった金額が必要です。

3.2 中途換金のルールの違い

個人向け国債は、発行から1年経過すればいつでも中途換金が可能で、直前2回分の利子(税引前)相当額に0.79685を掛けた金額が差し引かれるものの、額面金額どおりの100円で払い戻される仕組みです。これに対して新窓販国債は、発行から1年経過後であれば市場でいつでも売却できますが、売却価格はそのときどきの市場価格(時価)となるため、購入時よりも金利が上昇していると価格が下落し、元本割れとなる可能性があります。

和田 直子

新窓販国債は個人向け国債よりも利率が高く見えることがありますが、満期より前に現金化する可能性が少しでもあるなら、時価売却による元本割れの心配がない個人向け国債のほうが安心して保有しやすいといえます。逆に、満期まで動かす予定のない資金であれば、新窓販国債の利率の高さを生かしやすくなります。

4. まとめ

2026年9月は、個人向け国債(変動10年・固定5年・固定3年)と新窓販国債(2年・5年・10年)の6種類すべての発行条件が出そろい、いずれも表面利率が上昇傾向にあります。

100万円分を満期まで保有した場合の実質的な利子は、新窓販国債の購入時にかかる「初回の利子の調整額」を差し引いても、税引後で最大20万6939円(新窓販国債10年、調整額差引前は21万5150円)に達し、金利のある時代を実感できる水準になっています。

とはいえ、期間が長くなるほど市場金利の変動の影響を受ける期間も長くなり、新窓販国債には満期前に売却した場合の元本割れリスクもあります。表面上の利率の高さだけで選ぶのではなく、資金をいつまで動かさずに置いておけるかを踏まえたうえで、自分に合った国債を選ぶようにしましょう。

参考資料

和田 直子