4. 支給の事由が違えば調整されない
調整が入るのは、同じ事由で両方の給付が出るときに限られます。ここを取り違えると、受け取れる額を少なく見積もってしまいます。
4.1 障害厚生年金と遺族補償年金なら調整なし
厚生労働省は、障害厚生年金を受け取っている方が遺族補償年金を受け取る場合には調整は行われないとしています。
この場合は厚生年金も労災年金も全額受け取れます。
障害と死亡という別々の事由による給付なので、重複とは扱われないという整理です。
4.2 自分がどの組み合わせに当たるかを確かめる
調整率を見るときは、労災年金の種類と、あわせて受け取る公的年金の種類の両方を確かめる必要があります。
遺族基礎年金は18歳到達年度の末日までの子がいるかどうかで受け取れるかが変わるので、子の成長によって組み合わせが変わることもあります。
通知が届いたら、どの給付がいくらで入っているかを1つずつ照らし合わせておきましょう。
5. 請求先は労働基準監督署と年金事務所に分かれる
両方受け取れるということは、手続きも2か所で必要になるということです。
5.1 労災保険は労働基準監督署
遺族(補償)等年金の請求は、亡くなった方の勤務先を管轄する労働基準監督署が窓口です。
業務が原因かどうかの判断も労働基準監督署が行います。
5.2 公的年金は年金事務所
遺族厚生年金と遺族基礎年金の請求は、年金事務所または街角の年金相談センターです。
遺族基礎年金だけを請求する場合は、住んでいる市区町村の窓口でも手続きできます。
どちらか一方だけを進めると、受け取れるはずの給付が抜けたままになります。片方の手続きをしたときに、もう一方の窓口にも相談しておくと安心です。
6. まとめ
業務や通勤が原因で亡くなった場合、労災保険の遺族(補償)等年金と公的年金の遺族年金は両方受け取れます。
労災保険の年金額は遺族の数で決まり、給付基礎日額の153日分から245日分です。遺族が1人でも55歳以上の妻などは175日分になります。
両方受け取るときに調整されるのは労災保険の側で、調整率は0.80から0.88です。厚生年金と国民年金は全額支給されます。
請求先は労働基準監督署と年金事務所に分かれます。どちらの手続きも必要になるので、片方を進めるときにもう一方も確かめておきましょう。