3. 支給要件を満たしている限り、給付金はずっと受け取れる

老齢年金生活者支援給付金は、一度認定されればそれで終わりではなく、支給要件を満たしている限り、原則として2年目以降の手続きは不要で、継続して受け取ることができます。所得の状況などは毎年度、市町村から提供される情報をもとに自動的に判定される仕組みです。

一方で、所得が基準額を上回るなどして支給要件を満たさなくなった場合は、給付金は支給されなくなり、その旨を知らせる「年金生活者支援給付金不該当通知書」が送られてきます。逆に、その後所得が下がるなどして再び要件を満たすようになった場合は、あらためて請求書が届き、手続きをすれば給付が再開される仕組みです。「一度対象外になったらそれっきり」ではない点も、覚えておきたいポイントです。

4. 要件を満たしても、申請しなければ受け取れない

老齢年金生活者支援給付金は、要件に該当していても自動的に振り込まれるわけではなく、請求手続きをして初めて支給が始まります。65歳の誕生日を迎えて老齢基礎年金を新規に請求する人には、年金の請求書と一緒に案内が送られてきますが、すでに老齢基礎年金を受給中で、新たに給付金の対象となった人には、毎年9月の第1営業日から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が順次発送されます。まさに今、手元に届いている、あるいはこれから届くタイミングの人も多いはずです。

4.1 提出期限は9月30日、遅れても令和9年1月4日までなら間に合う

今回対象となった人がこの請求書を9月30日までに提出すれば、10月分から給付金を受け取ることができます。うっかり提出期限を過ぎてしまった場合も、あきらめる必要はありません。令和9年1月4日までに日本年金機構に届けば、さかのぼって10月分から支給されます。ただし、これを過ぎてしまうと、請求書が到着した月の翌月分からの支給となり、10月分・11月分などをもらい損ねることになってしまいます。

「年金生活者支援給付金」はがきの提出タイミングと支給スケジュールの例4/5

「年金生活者支援給付金」はがきの提出タイミングと支給スケジュールの例

出所:日本年金機構の案内をもとにLIMO編集部作成

提出期限内に手続きが完了すれば、順調にいけば12月の年金支給日に、10月分と11月分の給付金がまとめて振り込まれます。もっとも、これはあくまで目安であり、日本年金機構での事務処理の進み具合によっては、実際の振り込みが多少後ろにずれ込む可能性もあります。「予定の月に振り込まれていない」と慌てる前に、多少の遅れが生じ得ることも念頭に置いておくと安心です。

和田 直子

提出期限を過ぎても令和9年1月4日まではさかのぼって受け取れるとはいえ、手続きが遅れるほど、いったん取りこぼす月分が増えていく点は変わりません。はがきが届いたら、内容を確認したその日のうちに投函してしまうくらいの気持ちで、早めに手続きを済ませておくことをおすすめします。

5. 給付基準額は、物価の変動に応じて毎年度見直される

老齢年金生活者支援給付金の給付基準額は、公的年金の年金額と同じように、物価の変動に応じて毎年度改定される仕組みになっています。ここ数年の基準額(月額)の推移を見ると、右肩上がりで引き上げられてきたことがわかります。

老齢年金生活者支援給付金の基準額(月額)の推移5/5

老齢年金生活者支援給付金の基準額(月額)の推移を示す棒グラフ。令和4年度5020円、令和5年度5140円、令和6年度5310円、令和7年度5450円、令和8年度5620円と年々増加している

出所:日本年金機構「大切なお知らせ」各年度版をもとにLIMO編集部作成

基準額が改定された場合は、対象者に「年金生活者支援給付金支給金額改定通知書」が送付されます。所得基準額についても、基準額の改定にあわせて見直されることがあるため、「去年は対象外だったから」といって確認をしないままにせず、毎年度あらためて自分の状況を確認しておくとよいでしょう。

6. まとめ

老齢年金生活者支援給付金は、65歳以上で老齢基礎年金を受け取っており、世帯全員が市町村民税非課税で、前年の所得が基準額以下である人が対象です。給付額は保険料納付済期間と保険料免除期間の組み合わせで決まり、令和8年度の納付済期間用基準額は月額5620円です。全額免除期間が含まれている場合は、この基準額を上回ることもあります。所得が基準額をわずかに超える場合も、「補足的老齢年金生活者支援給付金」の対象になれば、減額されたかたちで給付を受けられる可能性があります。

要件を満たしていても、請求手続きをしなければ給付は始まりません。今回新たに対象となった人に届く請求書の提出期限は9月30日で、遅れても令和9年1月4日までに提出すれば10月分からさかのぼって受け取れます。この給付金は、消費税率が8%から10%に引き上げられた際の増収分を財源として、公的年金だけでは生活の支えが十分でない人のために創設された制度です。心当たりのある人は、届いた請求書を後回しにせず、早めに手続きを済ませておきましょう。

参考資料

和田 直子