3. 保護の申請は2万970件、開始は1万8171世帯
同じ調査には、その月にあった保護の申請件数と、新たに保護が始まった世帯の数も載っています。
3.1 申請件数は前年同月より73件増えた
令和8年6月に生活保護の申請があった件数は2万970件で、前年同月より73件、0.3%増えました。前月と比べると21件の減少です。
全体の世帯数は前年より減っているものの、申請の件数は前年並みで動いていることになります。
3.2 開始世帯数は149世帯増えた
新たに保護が開始された世帯は1万8171世帯で、前年同月より149世帯、0.8%増えました。前月比では109世帯の増加です。
なお、この調査の月分概数には「廃止世帯数」の集計は含まれていません。公表されているのは申請件数と開始世帯数のみです。
3.3 世帯数全体は前年同月より2424世帯減っている
それでも世帯数の全体は前年同月より2424世帯減っています。申請や開始の動きと、世帯数全体の年単位での増減は分けて見る必要があります。
4. 高齢者世帯以外の内訳も動いている
高齢者世帯以外の3つの類型についても、前年同月からの動きが出ています。
4.1 母子世帯は5万4953世帯で3.4%
母子世帯は5万4953世帯で、割合は3.4%です。前年同月の5万8714世帯から3761世帯、6.4%減りました。
今回の類型のうち、減少の幅が最も大きいのがこの母子世帯です。
4.2 障害者・傷病者世帯は41万6933世帯で25.5%
障害者・傷病者世帯は41万6933世帯で25.5%を占めます。前年同月の41万2652世帯から4281世帯、1.0%増えました。
高齢者世帯に次いで多い類型であり、今回は増えている側にあります。
4.3 その他の世帯は25万8690世帯で15.8%
その他の世帯は25万8690世帯で15.8%です。前年同月の26万468世帯から1778世帯、0.7%の減少でした。
高齢者世帯以外の合計は73万576世帯で、全体の44.7%にあたります。
5. 生活保護を考える前に確かめておきたい3つのこと
家計が苦しいと感じたときに、順番として先に手が届くものを挙げておきます。
5.1 毎月の不足額を出してみる
家計調査の平均では、65歳以上の単身無職世帯で月2万9980円、夫婦のみの無職世帯で月4万2435円の不足でした。
自分の家計でこの差額がいくらになるかを出しておくと、あと何年もつのか、どこを見直せるのかという話につながります。
5.2 使える給付や減免を先に調べる
生活保護以外にも、年金生活者支援給付金や、国民健康保険料・後期高齢者医療保険料の減免、介護保険の負担限度額認定など、収入や世帯の状況に応じて使える制度があります。
こうした制度は申請が必要なものが多く、自分から手を挙げないと動きません。何が使えるかは市区町村の窓口で確認できます。
5.3 判断に迷ったら福祉事務所に相談する
生活保護の相談や申請の窓口は、住んでいる地域を所管する福祉事務所です。要件に当てはまるかどうかを自分だけで判断する必要はありません。
貯蓄がいくらまでなら対象になるのか、持ち家があるとどうなるのかといった点は個々の事情で変わりますので、迷ったら早めに相談してください。
6. 高齢者世帯が半分を超えている
令和8年6月の被保護世帯は164万2778世帯で、前年同月より2424世帯減りました。世帯類型別では高齢者世帯が90万3532世帯、55.3%を占め、そのうち単身の世帯が51.7%です。
一方で家計調査を見ると、65歳以上の単身無職世帯は可処分所得11万8465円に対して消費支出が14万8445円で、月2万9980円が足りていません。夫婦のみの無職世帯では月4万2435円の不足です。
公表されている数字はあくまで平均の目安です。まずはご自身の家計の収支を整理し、「我が家の場合はいくら不足するのか」を正確に把握することが大切です。
対策の順番としては、①自分の家計の差額を出す、②利用できる給付金や減免制度を調べる、③それでも不足する場合に福祉事務所へ相談する、というステップを踏むのが確実です。