マンションを購入するとき、「できるだけ長く住み続けたい」と考える人は少なくありません。しかし、近年は購入時から将来の売却を意識するケースも増えているようです。
株式会社LIFULLが2026年9月2日に発表した調査結果によると、過去3年以内に東京圏のマンションを売却した人のうち、自宅用に購入した人の51.9%が購入時から「いずれ売却しようと思っていた」と回答しました。
「売ることまで考えて家を買う」という意識は、今後のマンション市場で定着していくのでしょうか。調査結果と専門家の解説から、その背景を探ります。
1. 自宅用マンションでも「いずれ売却」が51.9%
今回の調査でまず注目したいのが、マンションを購入した人の「その後の売却」をめぐる意識です。
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出所:株式会社LIFULL
過去3年以内に東京圏のマンションを売却した25~69歳の男女を対象に実施された「東京圏のマンションの売却に関する意識調査」で、売却したマンションの入手経路を見ると、「自宅用に購入した」が79.5%で最多となっています。
一方、「投資目的で購入した」は36.2%で、前回調査の24.1%から12.1ポイント上昇しています。投資目的で購入したという回答が増えていることも今回の調査の特徴ですが、より興味深いのは自宅用として購入した人の意識です。
自宅用に購入した人のうち、「いずれ売却しようと思っていた」と回答した人は51.9%と過半数に達しました。「ずっと住もうと思っていた」は32.1%です。前回調査の45.4%からも上昇しています。
つまり、投資目的ではなく、自分自身が住むために購入したマンションでも、購入時から将来の売却を意識していた人が半数を超えています。
こうした結果からは、「住むための家」と「資産としての家」の境界が薄くなっていることがうかがえます。
2. 「高く売れそう」がマンション売却のきっかけに
では、実際にマンションを売却した人は、何をきっかけに売却を決めたのでしょうか。
調査で最も多かったのは、「不動産価格が上がっていたので高く売れそうだと思った」で33.5%でした。前回調査でも25.3%で最多でしたが、今回は8.2ポイント上昇しています。
2位は「維持費の高さ」で19.9%でした。前回調査では12.6%で7位だったため、今回は大きく順位を上げています。
マンションは購入時に住宅ローンを組んで終わりではありません。所有中は管理費や修繕積立金などの支払いが続きます。
今回の調査では、居住中の管理費について「高い・高すぎる」と回答した人は56.6%、修繕積立金については56.0%でした。前回調査ではそれぞれ48.5%、49.1%だったため、負担感が強まっています。
マンション価格の上昇によって「売れば高く売れそう」という期待が生まれる一方、所有し続けるためのコストも売却を考える理由になっているようです。
3. 売却益がプラスだった人は71.0%、1000万円以上も47.0%
今回の調査では、実際の売却価格についても興味深い結果が出ています。
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出所:株式会社LIFULL
マンションの「売却額-購入額」で算出した売却益がプラスだった人は71.0%でした。前回調査の62.1%から8.9ポイント上昇しています。
売却益の金額を見ると、「2000万円以上」が19.0%で最も多く、1000万円以上の売却益があった人は47.0%に達しました。一方、売却益がマイナスだった人は12.1%でした。
また、住宅ローンが残った状態で売却した人のうち、95.4%が「売却代金で完済できた」と回答しています。
こうした数字を見ると、マンション価格の上昇が、売却した所有者にとって大きな追い風になったことが分かります。
ただし、「1000万円の売却益」と「1000万円もうかった」は同じではありません。
今回の調査における売却益は、購入価格と売却価格の差額です。実際の売却では、仲介手数料などの諸費用が発生するほか、利益が生じた場合には譲渡所得に関する税金がかかる場合があります。
マンションを売却するときは、売却価格だけでなく、諸費用や税金を差し引いた後にいくら手元に残るのかを見る必要があります。