3. 世帯の要件は本人の収入とは別に見る

線引きの話とあわせて、世帯側の条件も押さえておきます。

3.1 同じ世帯に課税されている人がいると対象にならない

要件のひとつは「請求する方の世帯全員の市町村民税が非課税となっている」ことです。本人の収入がどれだけ低くても、同居している家族に課税されている方がいれば対象から外れます。

前年の収入の線引きは本人について見るものですので、2つは別々に確かめる必要があります。

3.2 社会保険料の納付証明は市区町村に聞く

日本年金機構は、障害年金や遺族年金から社会保険料が特別徴収されている方に係る社会保険料額の納付証明については、お住まいの市区町村の担当部局にお問い合わせくださいとしています。

源泉徴収票が届かないぶん、確認先が機構ではなく市区町村になる場面があります。

3.3 請求書は65歳の誕生日の前日以降に出す

日本年金機構は、請求書は65歳になる誕生日の前日以降に提出してくださいとしています。

誕生日より前に出すことはできませんので、時期を待って手続きすることになります。

4. 給付額は納付済期間と免除期間で決まる

受け取れる額の決まり方も見ておきます。

4.1 納付済期間の分は月5620円が基準

日本年金機構によると、老齢年金生活者支援給付金の額は2つの合計です。1つ目は保険料納付済期間に基づく額で、月額5620円に保険料納付済期間を掛けて480月で割ります。

480月すべてが納付済期間であれば5620円になります。

4.2 免除期間の分は単価が高い

2つ目は保険料免除期間に基づく額です。昭和31年4月2日以後生まれの方の場合、全額免除・4分の3免除・半額免除の期間は月額1万1768円、4分の1免除の期間は5884円に、その期間を掛けて480月で割ります。

1万1768円は老齢基礎年金満額(月額)の6分の1にあたる額です。納付済期間の5620円より単価が高いため、免除を受けていた期間があることは、この給付金では押し上げる方向にはたらきます。

4.3 計算例では月4281円

日本年金機構は例を示しています。納付済月数が240カ月、全額免除月数が60カ月の場合、5620円×240÷480月=2810円、1万1768円×60÷480月=1471円で、合計は月額4281円です。

納付済期間だけでなく、免除を受けていた期間も額に反映されます。

5. 確かめておきたい3つのこと

9月に封筒が届いたときの手立てをまとめます。

5.1 数える収入だけを足してみる

合計するのは老齢や退職を支給事由とする年金の額と、その他の所得です。遺族年金や障害年金は入れずに計算すると、線引きとの位置関係が見えてきます。

5.2 封筒の中の見込額を確かめる

はがき型の請求書には、請求した場合に支給される見込額(月額)が記載されています。自分で計算する前に、まずここを見るのが早道です。

5.3 世帯に課税されている人がいないか見る

要件は「請求する方の世帯全員の市町村民税が非課税」です。同居している家族の課税状況もあわせて確認しておくと確かです。

分からない点は、年金事務所や街角の年金相談センターで確認できます。

6. 数えない収入があることを先に押さえる

障害年金や遺族年金は所得税および復興特別所得税の課税対象になっておらず、公的年金等の源泉徴収票も送付されません。年金生活者支援給付金の所得要件でも、これらの非課税収入は含まれません。

数えるのは前年の年金収入金額とその他の所得の合計で、令和8年10月分からの線は昭和31年4月2日以後生まれの方が82万6500円、昭和31年4月1日以前生まれの方が82万4100円です。超えても92万6500円(92万4100円)までは補足的老齢年金生活者支援給付金があります。

請求書は毎年9月の第1営業日から順次送付されています。届いた封筒の見込額と、数える収入の合計を照らし合わせてみてください。

参考資料

中本 智恵