4. 年金を受け取り始めた年齢ごとの人数にも偏りがある
平均額とあわせて、何人が受け取り始めたのかも見ておきましょう。
4.1 64歳が43万1450人
年報の年齢別受給権者数によると、令和6年度に新しく受給権が決まった方は56万7338人でした。このうち64歳が43万1450人で、いちばん多くなっています。
60歳から64歳の合計は52万930人です。特別支給の老齢厚生年金にあたる方が、この年代で受給権を得ています。
4.2 年齢があがるほど人数が少ない
65歳から69歳は4万3363人、70歳から74歳は2616人でした。年齢が上がると平均額は高くなりますが、人数は少なくなります。
70歳代で受給権が決まる方には、繰下げ受給を選んだ方などが含まれると考えられます。
5. 年金額は加入期間と現役時代の報酬で決まる
自分の見込額を考えるときの前提も確認しておきましょう。
5.1 平均は目安にとどめる
厚生年金の額は、加入期間と現役時代の報酬をもとに計算されます。平均年金月額は全国の受給権者を集計した数値ですので、自分の見込額とは別のものです。
新規裁定の男子10万1422円と女子6万7183円のように、同じ年度でも3万円以上の差があります。
5.2 「ねんきん定期便」で確かめる
自分がいくら受け取れるかは、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」に記載されています。「ねんきんネット」を使えば、いつでも確認できます。
加入期間と報酬の実績が反映された金額ですので、平均と比べるよりもこちらを見るほうが確実です。
6. 年金からは保険料が差し引かれる
自治体で保険料の計算を担当していた立場から、あわせて確認しておきたい点を挙げます。
6.1 介護保険料と医療保険の保険料が天引きされる
年金からは、介護保険料と、国民健康保険料または後期高齢者医療保険料が差し引かれます。特別徴収と呼ばれる仕組みで、あらかじめ引かれた額が振り込まれます。
窓口では「振込額が思っていたより少ない」という相談を受けることがありました。振込通知書に記載された控除額を見ると、内訳が分かります。
6.2 保険料は前年の所得などで計算される
保険料の額は、前年の所得などをもとに保険者が計算します。年金の額そのものから一定の割合を引くという仕組みではありません。
平均年金月額は額面の数字です。実際に手元に入る額を知りたいときは、控除額もあわせて確かめておくとよいでしょう。
7. 確かめておきたい3つのこと
最後に、確認の手立てをまとめます。
7.1 自分がどの年代で受け取り始めるか
生年月日によって、特別支給の老齢厚生年金を受け取れるかどうかが変わります。60歳代前半に受給権が決まるかどうかは、ここで分かれます。
自分の支給開始年齢は、年金事務所や街角の年金相談センターで確認できます。
7.2 見込額は「ねんきん定期便」で見る
平均額は集計の対象によって大きく変わりますので、自分の数字は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確かめるのが確実です。
7.3 天引き額は市区町村の窓口で聞く
年金から差し引かれる保険料については、お住まいの市区町村の担当窓口で相談できます。額面と手元に残る額の両方を把握しておくと、見通しが立てやすくなります。
8. 受け取り始めた年齢で平均年金月額は9万円台から18万円台まで
厚生年金保険・国民年金事業年報によると、令和6年度に新しく受給権が決まった方の平均年金月額は、60歳から64歳の小計が9万2412円、65歳から69歳が15万9418円、70歳から74歳が18万1106円でした。
1歳ごとに見ると、60歳が10万1858円、65歳が15万5437円、70歳が18万8758円です。受け取り始める年齢が遅いほど平均額は高くなっています。
男女別では、62歳が男子12万4847円に対して女子5万9645円と2倍を超える差があります。次の支給日は10月15日ですので、振込額の内訳を確かめるところから始めてみてください。
参考資料
太田 彩子