児童扶養手当は、ひとり親家庭等の生活を支えるための手当ですが、要件を満たせば誰でも受け取れるというわけではありません。とくに見落とされがちなのが、事実婚をしていたり、児童の生活状況によっては「対象外」となってしまうケースです。
令和8年4月からの見込額でみると、子ども1人の場合、全部支給で月額4万8050円、一部支給は所得に応じて4万8040円〜1万1340円となり、子どもの人数が増えれば加算額も上乗せされます。
この記事では、まず見落としがちな「対象外になる要件」を中心に整理したうえで、月額や所得制限限度額についても、表とあわせて確認していきます。
1. 児童扶養手当とは?ひとり親家庭等の生活を支える手当
まずは、児童扶養手当がどのような手当で、誰を対象にしているのかを簡単に確認しておきましょう。
1.1 対象となるのは18歳到達年度末までの子を監護する母・父など
児童扶養手当の支給対象となるのは、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある児童(障害児の場合は20歳未満)を監護する母等です。母子家庭に限った制度ではなく、父子家庭の父や、祖父母などの養育者が児童を養育している場合も対象になり得ます。こども家庭庁によると、令和7年3月時点の受給者数は77万7962人で、内訳は母73万8913人、父3万5915人、養育者3134人となっています。
2. 見落としがちな「対象外になる要件」とは?
児童扶養手当には、支給要件を満たしていても支給されない「対象外」のケースがあり、ここを見落としていると想定外に不支給となってしまうことがあります。
2.1 まず、支給対象となる主なケースをおさらい
こども家庭庁によると、父母が婚姻を解消した児童、父又は母が死亡した児童、父又は母が一定程度の障害の状態にある児童、父又は母の生死が明らかでない児童などを監護している場合に、児童扶養手当が支給されます。未婚で出産し、児童を監護しているケースも対象に含まれます。
2.2 事実婚をしていると、それだけで対象外になる
支給要件に当てはまるように見えても、母(または父)が事実婚をしている場合は対象外です。婚姻届を出していなくても、社会通念上、夫婦としての共同生活と認められる実態があれば、事実婚をしているものとして扱われます。これは、事実上の父(または母)がいる以上、その人から扶養を受けられるはずだという考え方にもとづくもので、恋人がいるというだけでは該当しませんが、同居や生計の同一化が進んでいる場合は注意が必要です。
2.3 児童の生活状況による対象外も見落とされやすい
もう一つ見落とされやすいのが、監護しているはずの児童自身の生活状況による対象外です。児童が里親に委託されている場合や、児童福祉施設(母子生活支援施設・保育所・通園施設等を除く)に入所している場合は、児童を現に監護しているとはみなされず、対象外となります。また、請求者や児童が日本国内に住所を有しない場合(留学中の児童を除く)も対象外です。「ひとり親であること」だけに気を取られていると、こうした児童側の事情による対象外要件を見落としがちなので注意しましょう。
「事実婚」というと、単に交際している相手がいるだけでは該当しないと考えがちですが、実際には同居の有無や生計を同一にしているかどうかなど、実態から総合的に判断されます。ご自身のケースが該当するかどうか迷う場合は、自己判断せずに、お住まいの自治体の窓口へ早めに相談しておくと安心です。
3. 月額はいくら?子どもの人数で加算される
対象要件を満たした場合に、実際いくら受け取れるのかも押さえておきましょう。
3.1 全部支給は月額4万8050円(令和8年4月〜見込額)
上図のとおり、児童が2人目以降になると、1人につき加算額が上乗せされる仕組みです。全部支給・一部支給それぞれの基本額と加算額は、上記の表で確認してください。
3.2 一部支給は所得に応じて段階的に決まる
前年の所得が一定額を超えると「一部支給」となり、所得に応じて基本額・加算額とも段階的に減っていきます。所得がさらに一定額を超えると、後述する所得制限限度額により、手当そのものが支給停止となります。
