2026年8月31日、厚生労働省が厚生年金保険・国民年金事業月報の令和8年4月分を公表しました。遺族厚生年金の平均月額は8万6780円でした。
ただし、65歳になって自分の老齢厚生年金を受け取る権利ができると、遺族厚生年金の受け取り方が変わります。同じ額をそのまま受け取り続けるわけではありません。
この記事では、65歳から遺族厚生年金と老齢厚生年金の両方に権利がある場合の仕組みを確認していきます。
1. 65歳以上では老齢厚生年金が全額支給される
はじめに、65歳以上で遺族厚生年金と老齢厚生年金の両方に権利がある場合の扱いを確認します。
1.1 平成19年4月1日から現在の形になった
日本年金機構によると、平成19年3月31日までは原則としてどちらを受けるか選択することになっていました。
平成16年の年金制度改正により、平成19年4月1日からは、自分自身が納めた保険料を年金額に反映させるため、65歳以上で遺族厚生年金と老齢厚生年金を受ける権利がある方は、老齢厚生年金は全額支給となりました。
1.2 遺族厚生年金は相当額が支給停止になる
一方で、遺族厚生年金については老齢厚生年金に相当する額の支給が停止となります。
2つを足した額を受け取れるのではなく、老齢厚生年金を優先して支給し、遺族厚生年金は差額の部分だけになる形です。
2. 遺族厚生年金の額は2つの式を比べて高い方になる
次に、65歳以上で自分の老齢厚生年金がある場合の年金額の決め方を見ていきます。
2.1 比較する2つの額
日本年金機構によると、65歳以上で老齢厚生年金を受け取る権利がある方が配偶者の死亡による遺族厚生年金を受け取るときは、2つの額を比較します。
1つは「死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額」です。もう1つは「死亡した方の報酬比例部分の額の2分の1の額と、自身の老齢厚生年金の額の2分の1の額を合算した額」です。
2.2 高い方の額が遺族厚生年金の額になる
この2つを比べて、高い方の額が遺族厚生年金の額となります。
自分の老齢厚生年金が多い方の場合は、2分の1ずつを合算する式のほうが高くなることがあります。4分の3の式だけで決まるわけではない点は押さえておきたいところです。
2.3 65歳未満のうちは4分の3で計算される
2つの式を比べるのは、65歳以上で老齢厚生年金を受け取る権利がある場合です。
65歳になる前は、死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額が遺族厚生年金の額になります。65歳を境に計算のしかたが変わる形です。
65歳の前後で受け取り方が変わる仕組みです。自分の老齢厚生年金の見込額を先に把握しておくと、見通しが立てやすくなります。
