5. 2026年度の年金額と、実質では目減りする理由
公的年金の額は年度ごとに改定されます。2026年度は法律の改定に基づき、前年度より国民年金(基礎年金)が1.9%、厚生年金(報酬比例部分)が2.0%の増額となり、4年度続けてのプラス改定です。
5.1 公表されている2026年度の年金額
- 国民年金(老齢基礎年金(満額)):7万608円(1人分※)
-
※ 昭和31年4月1日以前生まれの老齢基礎年金(満額1人分)は月額7万408円(対前年度比+1300円)
-
- 厚生年金:23万7279円(夫婦2人分※2)
-
※ 男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
-
ただし上記はあくまでも「年金例」です。実際に支給される年金額は、現役時代の年金加入状況により個人差が出ます(厚生年金・国民年金の平均受給額)。
そして金額が増えていても、「マクロ経済スライド」が発動しているため実質的な水準は目減りします。ここは押さえておきたい点です。
マクロ経済スライドとは、公的年金被保険者の変動と平均余命の伸びから「スライド調整率」を設定し、賃金と物価の変動がプラスのときにその分を改定率から差し引く仕組みのことです。
6. 国民年金と厚生年金、平均月額はいくらなのか
実際の受給額の目安として、厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」の2024年度末現在の平均年金月額を確認します。
※厚生年金の被保険者は第1号~第4号に区分されており、ここでは民間企業などに勤めていた人が受け取る「厚生年金保険(第1号)」(以下記事内では「厚生年金」と表記)の年金月額を紹介します。また、厚生年金の月額には国民年金(老齢基礎年金)部分が含まれています。
6.1 図で見る平均月額と、受給者ごとの幅
6.2 国民年金(老齢基礎年金)は男女全体で月5万9310円
〈全体〉平均年金月額:5万9310円
- 〈男性〉平均年金月額:6万1595円
- 〈女性〉平均年金月額:5万7582円
出所:LIMO「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説」
6.3 厚生年金(国民年金部分を含む)は男女全体で月15万289円
〈全体〉平均年金月額:15万289円
- 〈男性〉平均年金月額:16万9967円
- 〈女性〉平均年金月額:11万1413円
出所:LIMO「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説」
※厚生年金の平均年金月額には国民年金(老齢基礎年金)部分が含まれています
平均で見ると、国民年金だけの場合は男性6万円台・女性5万円台、厚生年金(国民年金部分を含む)は男性16万円台・女性11万円台となります。
もっとも図を見ればわかるとおり、実際の金額は人によって大きく散らばっています。自分の見込額は「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確かめられます。
7. 60歳代の33.6%、70歳代の26.5%が「難しい」と回答
J-FLEC(金融経済教育推進機構)が2025年12月に公表した「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」によると、二人以上世帯で「日常生活費程度もまかなうのが難しい」と答えたのは60歳代で33.6%、70歳代で26.5%でした。
7.1 どんな理由が上位に挙がっているか
理由として上位に来るのは、物価の上昇と医療費・介護費の負担増です。
完全に仕事を離れた世帯は、現役時代より収入が下がるのが通例です。負担感はこの先も強まっていくと見られます。
さらに、毎月の給料日があった現役時代と違い、年金は偶数月に2カ月分がまとめて入ります。家計を回すサイクルが変わるわけです。
2カ月単位で考える形に、生活費のやりくりを合わせていく必要があります。
8. 預け先ごとの上限も、一度は確認しておく
ここまで、ゆうちょ銀行の預入限度額と、65歳以上世帯の平均貯蓄額、2026年度の年金額、公的年金の平均月額を見てきました。
ゆうちょ銀行の貯金はお一人につき、通常貯金が1300万円まで、定期性貯金が1300万円までです。財形貯金各種は合わせて550万円までの別枠で、振替貯金口座に限度額はありません。
満期を迎えた貯金は元本と利子(税引き後)の合計で総額を数えます。屋号の名義では使えず、事業用の貯金も個人としての取扱いになります。
貯蓄のほうを見ると、世帯主が65歳以上の無職世帯の平均は2494万円で、6年ぶりに減少へ転じました。有職世帯を含めると平均2564万円、中央値1777万円です。
夫婦のみの無職世帯では毎月およそ4万2000円が足りず、その分は貯蓄から出すことになります。
自分の口座がいまいくらになっているかは、通帳やゆうちょダイレクトで確認できます。年金の見込額はねんきん定期便やねんきんネットで確かめられます。
参考資料
- ゆうちょ銀行「貯金商品のご利用について」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2025年(令和7年)平均結果の概要―(二人以上の世帯)」
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)―2025年(令和7年)平均結果の概要」
- 総務省統計局「第3 家計調査の貯蓄・負債編の見方」
- 日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
- LIMO「【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説」
- LIMO「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説」
LIMO編集部貯蓄解説班