2. 「年金に上乗せ」障害年金生活者支援給付金の「2つの受給要件」と最新金額
2026年度は年金本体だけでなく、生活をさらに支える「給付金」も増額されています。
障害年金生活者支援給付金は、消費税率の引き上げなどに伴う生活への影響を和らげるため、2019年からスタートした制度です。この給付金は、以下の「2つの要件」を満たす方を対象に、通常の年金に上乗せして偶数月に支給されます。
- 障害基礎年金の受給者であること
- 前年の所得が479万4000円以下であること(扶養親族等の数に応じて上限額は増額されます)
※ここでの「所得」とは、収入から経費などを差し引いた後の金額です。なお、障害年金や遺族年金などの非課税収入は、この所得の計算には含まれません。
2026年度の給付額(月額)は、前年度から増額され以下のようになりました。
- 1級:7025円(前年度よりプラス212円)
- 2級:5620円(前年度よりプラス170円)
給付金の手続きは、新たに対象となる方へ日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が届きます。必要事項を記入してポストへ投函するだけで完了するため、見落とさないように注意が必要です。
3. 働き盛りを支えるセーフティネット!受給者の最多は「50歳代」
では、実際にどのような年代の方がこの給付金を受け取っているのでしょうか。厚生労働省の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、障害年金生活者支援給付金の受給件数は全国で約217万件にのぼります。
受給件数の分布
- 30歳未満:26万6276件
- 30歳代:31万6202件
- 40歳代:37万1772件
- 50歳代:46万8876件
- 60歳代:38万4626件
- 70歳代:26万4423件
- 80歳代以上:10万4991件
年代別の受給状況を見ると、最も多いのは「50歳代」の46万8876件です。次いで「60歳代」が38万4626件、「40歳代」が37万1772件と続きます。
このデータからは、年金や給付金が決して高齢になってからだけの制度ではなく、働き盛りで心身に不調をきたした現役世代の生活を支える、極めて重要なセーフティネットとして機能していることが分かります。病気や事故といった事態は、どの世代にとっても他人事ではありません。
4. まとめにかえて
今回は、障害年金生活者支援給付金について解説しました。要件を満たせば障害基礎年金に上乗せして受け取れるこの制度は、2026年度に1級で月額7025円、2級で月額5620円へと増額されており、現役世代を含む多くの方の暮らしを支えています。
物価の上昇が続く中、こうした公的な制度は家計の大きな助けとなります。一方で、給付金だけで生活のすべてを賄うことは難しいため、元気なうちから民間の保険や貯蓄など、ご自身に合った「もしも」への備えを併せて考えておくことが大切です。
障害年金やそれに付随する給付金は、病気やケガで働けなくなった際の力強い味方です。しかし、これらの制度は自動的に振り込まれるわけではなく、ご自身やご家族による申請や、届いたハガキの返送が必須となります。とくに体調が優れない時は各種手続きの負担が重く感じられますので、日頃から「どんな時にどのようなサポートが受けられるのか」をご家族で共有しておくことをおすすめします。
参考資料
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度 特設サイト」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「「年金生活者支援給付金制度」について」
- 厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度 特設サイト・広告ギャラリー ポスター」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
- 日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
- 日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」
村岸 理美
