3. マイナンバーカードを作らない・使わない選択をしている人はどうなる?

ここまでの内容を踏まえると、後期高齢者でマイナンバーカードを作らない、あるいは作っていても健康保険証として使わないという選択をしている人については、次のように整理できます。

75歳以上85歳未満の人であっても、マイナ保険証を持っていない、または持っていても普段使っていなければ、資格確認書の交付対象です。85歳以上の人であれば、そもそもマイナ保険証の保有・利用状況を問わず資格確認書が交付されます。つまり、マイナンバーカードを作らない、利用しないという選択をしていても、資格確認書は自分から特別な手続きをしなくても、市区町村から自動的に送られてくる仕組みになっているということです。

資格確認書は、これまでの紙の保険証と同じように、医療機関や薬局の窓口で提示すれば、通常の窓口負担割合で受診できます。マイナ保険証のように顔認証付きカードリーダーを使う必要もなく、これまで保険証を使ってきたのと同じ感覚で使えます。したがって、「マイナンバーカードを持たない・使わないと紙の保険証がなくなったときに受診できなくなるのでは」という心配については、資格確認書が代わりの役割を果たすため、過度に心配する必要はありません。

和田 直子

「マイナンバーカードは作らない」と決めている場合、ご本人だけでなくご家族も「保険証がなくなったらどうしよう」と不安に感じることがあると思います。ただ、今回整理したとおり、資格確認書は申請しなくても自動的に交付される仕組みになっているため、身構えすぎる必要はありません。

大切なのは、届いた資格確認書をきちんと保管し、有効期限や記載内容(負担割合など)を確認しておくことです。特に離れて暮らすご家族がいる場合は、資格確認書がきちんと届いているか、一度確認してみるとよいでしょう。

4. 資格確認書を受け取ったら、確認しておきたいこと

資格確認書には、いくつか実務的に知っておきたいポイントがあります。

まず、有効期限です。令和8年8月1日から交付される資格確認書の有効期限は、最長で令和9年7月31日までの1年間です。毎年8月頃に一斉更新が行われ、資格確認書の交付対象となる方には、新しい資格確認書が有効期限の切れる前に、市区町村から簡易書留や特定記録郵便で送られてきます。送付方法は自治体によって異なるため、届く時期や方法については、お住まいの市区町村や広域連合のホームページで確認しておくと安心です。

次に、紛失・破損時の対応です。資格確認書をなくしたり破れたりしてしまった場合は、お住まいの市区町村の窓口で再交付を申請できます。逆に、世帯構成の変更や所得の更正などで自己負担割合が変わった場合は、有効期限内でも新しい資格確認書が届くため、古いものは案内に従って返却するか、個人情報に注意して自分で処分します。

また、高額療養費の自己負担限度額に関わる「限度区分」や、長期入院時の食費軽減に関わる「長期入院該当日」などは、申請をすることで資格確認書に併記してもらうことができます(※一度併記申請を行えば、翌年以降の更新時も自動的に限度区分が併記された資格確認書が届きます)。該当しそうな人は、お住まいの市区町村の窓口で確認するとよいでしょう。なお、コピーした資格確認書は使用できず、他人との貸し借りもできない点は、これまでの保険証と同様の注意点です。

和田 直子

資格確認書は自治体によって色やデザインが毎年変わることがあるので、「これまでと違う色のカードが届いた」と驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。届いたときは、まず有効期限と自己負担割合の欄を確認し、これまで使っていたものは案内に従って処分するようにしましょう。

制度の細かい運用は市区町村や広域連合によって異なる部分もあるため、届いた書類に同封されている案内をよく読むか、不明な点があれば、お住まいの市区町村の窓口や後期高齢者医療広域連合のお問い合わせ窓口に確認することをおすすめします。

5. まとめ

紙の健康保険証は令和6年12月2日以降、新規交付・再発行がされなくなり、令和8年8月からは資格確認書等の交付ルールも新しくなりました。

85歳以上の人は年齢だけで、84歳以下でもマイナ保険証を持たない・普段使っていない人は、申請しなくても資格確認書が届く仕組みになっているため、マイナンバーカードを作らない、利用しないという選択をしている後期高齢者も、これまで通り医療機関を受診できます。

制度の詳細や、ご自身・ご家族の状況に応じた具体的な取り扱いについては、確定的な情報として本記事の内容を鵜呑みにせず、お住まいの市区町村の後期高齢者医療担当窓口や、加入している後期高齢者医療広域連合に直接確認することをおすすめします。

参考資料

LIMO編集部社会保障解説班