4. 50代・60代に多い「急に大きなお金を持つことになった」への不安。ファイナンシャルアドバイザー・筒井亮鳳が伝えたいこと
日頃のご相談では、相続でまとまった資金を受け取った直後の方から、扱いに困っているというお話をいただきます。金額の大きさより、何から手をつけるべきかが分からないことのほうが負担になっています。
4.1 50代・60代に多いお悩み相談は「急に大きなお金を持つことになった」
相続は、予定して起きるものではありません。投資の経験がないまま、まとまった資金だけが手元に残る。減らしたくないという気持ちと、置いておくだけでよいのかという迷いが同時に生まれます。次のような声を耳にします。

急いで運用先を決める必要はありません。最初にすべきなのは、置き場所を決める前の整理です。
4.2 【ファイナンシャルアドバイザー・筒井亮鳳が回答】相続で受け取った資産を整理する考え方
整理の順番を守ると、判断を急かされずに済みます。ご相談のなかでは、次の三つの順序でお話しすることが多くあります。
4.3 ポイント1:手続きと税金が残っていないかを確認する
一つ目は、「手続きと税金が残っていないかを確認する」ことです。相続に伴う各種の手続きには期限が定められているものがあります。運用の検討に入る前に、必要な手続きが済んでいるかを確かめておきます。
4.4 ポイント2:使う時期ごとに資金を分ける
二つ目は、「使う時期ごとに資金を分ける」ことです。近く使う予定のあるお金、数年内に必要になるかもしれないお金、当面動かさないお金。三つに分けるだけで、それぞれに合う置き場所はおのずと絞られます。
4.5 ポイント3:当面動かさない部分だけを運用に回す
三つ目は、「当面動かさない部分だけを運用に回す」ことです。全額を一度に投じる必要はなく、値動きの小さいものと組み合わせて段階的に始められます。慣れないうちは少額から試すことで、判断の材料も得られます。
なお、相続税の申告や各種の手続きには期限があり、取り扱いはご家庭の状況によって異なりますので、税理士や専門の窓口にご確認ください。投資信託や株式には元本割れの可能性があります。
5. まとめにかえて
公的年金は国民年金と厚生年金の2階建て構造で、2026年度は国民年金1.9%・厚生年金2.0%の増額改定となりました。それでも国民年金のみでは月7万円台にとどまり、厚生年金を合わせても月15万円以上を受給している人は全体の49.8%と、半数に満たないのが実情です。
受給額には加入期間や現役時代の収入による個人差が大きいからこそ、平均額をそのまま自分に当てはめず、「ねんきん定期便」などでご自身の見込額を確認しておくことが大切です。そのうえで、相続などでまとまった資金を受け取ったときは、手続きと税金を確認し、使う時期ごとに分け、当面動かさない部分だけを運用に回す。この順番で整理すれば、年金だけに頼らない備えを落ち着いて組み立てられます。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」
- 日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
- 日本年金機構「国民年金保険料」
- 日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」
- LIMO「【国民年金+厚生年金】月15万円(年180万円)以上もらう人は何%?平均受給額を一覧で確認!私的年金の見直しで押さえておきたいポイント」
- LIMO「【2026年最新版】老齢年金一覧表「60歳代・70歳代・80歳代・90歳以上」の平均年金月額はいくら?手取りのリアルと5つの公的給付金」
筒井 亮鳳
