4. 障害年金には所得税がかからない

同じ公的年金でも、老齢年金と障害年金では税の扱いが違います。

4.1 源泉徴収票そのものが送られてこない

日本年金機構は、障害年金や遺族年金は所得税および復興特別所得税の課税対象となっていないため、これらを受けている人には公的年金等の源泉徴収票は送付されないとしています。源泉徴収票が届くのは、老齢または退職を支給事由とする年金を受けている方だけです。

老齢年金であれば額面から所得税や住民税が引かれますが、障害年金にはそれがありません。額面がそのまま手元に残る点は、金額を比べるときに見落とされがちです。

4.2 扶養や社会保険料の判定にも効いてくる

非課税であることは、税額そのもの以外にも影響します。扶養親族や控除対象配偶者に該当するかを判定する合計所得金額には、非課税とされる所得は含まれません。

家族の扶養に入れるかどうかを考えるときは、この点を踏まえて計算する必要があります。判断に迷う場合は税務署や市区町村の窓口で確認してください。

5. 請求のタイミングを逃さない

いつ請求するかによって、受け取れる時期が変わってきます。

5.1 さかのぼれるのは5年分まで

障害認定日に障害の状態にあるときは、障害認定日の翌月分から年金を受け取れます。あとから気づいた場合でもさかのぼって請求できますが、時効により5年分が上限です。

時間が経つほど当時の診断書をそろえるのも難しくなります。心当たりがあるなら、早めに動くほうが確実です。

5.2 あとから重くなったときは65歳の誕生日の前々日まで

障害認定日に障害の状態に該当しなかった方でも、その後に症状が重くなって該当するようになったときは、請求日の翌月から受け取れます。これを事後重症による請求といいます。

ただしこちらには期限があり、請求書は65歳の誕生日の前々日までに提出する必要があります。65歳が近い方は日付の数え方に注意してください。

6. 老後の年金との関係も見ておく

障害年金を受けている方には、老齢年金にかかわる扱いもあります。

6.1 2級以上の方は国民年金保険料が法定免除になる

障害基礎年金ならびに被用者年金の障害年金で2級以上を受けている方は、国民年金保険料の法定免除の対象です。住民登録をしている市区役所・町村役場の国民年金担当窓口へ届書を提出します。

ただし免除期間の老齢基礎年金は、平成21年4月以降の期間で1カ月を2分の1として計算されます。納めた場合より将来の年金額は少なくなるため、追納を含めて年金事務所で試算してもらうとよいでしょう。

6.2 3級だけを受けている場合は対象にならない

法定免除の対象は2級以上です。3級の障害厚生年金だけを受けている場合は含まれません。

年金額が3級だけ低く抑えられていることとあわせると、3級は制度上の扱いが1級・2級とかなり違うことが分かります。

7. まとめにかえて

障害年金で受け取れるものは、いま加入している制度ではなく、初診日にどの制度に入っていたかで決まります。初診日に厚生年金の被保険者だった方は、1級・2級に加えて3級と障害手当金の対象にもなります。

令和8年度は、障害基礎年金が1級105万9125円・2級84万7300円で、これに子の加算額が付きます。3級は報酬比例の年金額のみですが、63万5500円の最低保障額が置かれています。

まずは、その症状で最初にかかった医療機関がどこだったかを確かめるところからです。要件に当てはまるかどうかの判断は難しいので、迷う場合は年金事務所や年金相談センターで個別の状況を伝えて確認してください。

参考資料

和田 直子