4. 月10万円は物価2%で10年後にいくらの価値になるのか
ここでは年金月額10万円(年120万円)が、物価上昇率2%で10年推移した場合の実質的な価値を試算します。いまの10万円で買えるものを基準にした金額です。
物価上昇率2%は、日本銀行が目標として掲げている水準です。
4.1 【試算】物価2%が10年続いた場合の実質価値
- 現在の年金:月10万円/年120万円
- 物価上昇率:年2%
- 経過年数:10年
- 実質価値:年98万4418円(月8万2035円相当)
- 目減り:18.0%(月1万7965円相当の減少)
年金月10万円が物価2%で10年後に持つ実質的な価値4/4
出所:LIMO編集部作成
10年後には実質8万2035円相当となり、目減りは18.0%です。月あたり1万7965円分の価値が減る計算になります。
※月10万円が据え置かれたまま物価だけが年2%上がった場合の実質価値です。実際の年金額は毎年度見直されますが、マクロ経済スライドによって上昇率が物価を下回ることもあります。
物価1%なら10年で9.5%の目減りでした。上昇率が2倍になると、目減りもほぼ2倍の速さで進みます。
4.2 【半分の価値になるまで】物価2%なら約35年
実際には年金額も物価に応じて改定されるため、月8万2035円相当まで落ちる計算どおりにはなりません。ただし改定率が物価上昇率を下回る年もあります。
物価上昇率が2%で推移すると、お金の価値が半分になるまでにおよそ35年です。65歳から受け取り始めると100歳ごろにあたります。
1%のときの約70年と比べると、期間は半分になります。長生きするほど無視できない差です。
ねんきん定期便で自分の見込額を確かめ、物価の前提を変えながら考えてみてください。
5. 年金の実質価値は物価2%なら10年で18%目減り
厚生年金の平均年金月額は男性が約17万円、女性が約11万円で、国民年金は男女ともに6万円前後でした。標準的な夫婦世帯は月23万7279円です。
支給は偶数月の15日で、2カ月分がまとめて振り込まれます。1回の振込額が大きく見えても、月あたりに換算して考えることが大切です。
月10万円の年金は物価2%が10年続くと実質8万2035円相当になります。物価1%のときの10年後より、目減りは倍近くになります。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
- 日本年金機構「国民年金保険料」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「年金から介護保険料・国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料・住民税および森林環境税を特別徴収されるのはどのような人ですか。」
石津 大希