2026年8月28日、厚生労働省から最新の「一般職業紹介状況(令和8年7月分)」が公表されました。パートタイムの有効求人倍率(仕事を探す人1人に対する求人数)が0.88倍となるなど、雇用形態による求人環境の違いが浮き彫りとなっています。

村岸理美
筆者はファイナンシャル・プランナー(FP)として数多くのご相談をお受けしてきましたが、働き方や待遇の差に対する悩みや不満の声を耳にしてきました。ライフスタイルや置かれた環境に合わせて納得感を持って働ける職場作りは、多くの方にとって関心の高いテーマです。

今回は最新データから見える労働市場の現状と、2026年10月から強化される「同一労働同一賃金」の新ルールについて詳しく解説します。

この記事の3つのポイント

  •  2026年7月分のパート有効求人倍率(0.88倍)と雇用市場の現状
  •  給料差5.5倍の裏にある「労働時間」と「賞与(6月分)」の影響
  •  2026年10月から始まる「同一労働同一賃金」の3つの改正ポイント

1. 【正社員とパート】「仕事の見つけやすさ」パート有効求人倍率は「0.88倍」に低下

厚生労働省の「一般職業紹介状況」によると、令和8年7月の正社員有効求人倍率は1.00倍でした。これは、仕事を探している人1人に対して、おおむね1件の求人がある状態を示しています。

一方、常用的パートタイムの有効求人倍率は0.88倍となっており、仕事を探す人の数に対して求人がやや少ない状況です。さらに前年同月と比べると0.06ポイント低下しており、パートタイムの仕事は以前より見つけにくくなっています。

第2表 雇用形態別常用職業紹介状況(新規学卒者を除く)1/3

第2表 雇用形態別常用職業紹介状況(新規学卒者を除く)

出所:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年7月分)」

実際に、常用的パートタイムでは

  • 月間有効求職者数:79万5384人(前年同月比2.1%増)
  • 月間有効求人数:70万3052人(前年同月比4.1%減)

となっており、仕事を探す人が増える一方で、企業側の求人は減少しています。

一方、正社員を含むパートタイム以外の常用雇用では、求職者数はほぼ横ばいで推移しており、労働市場の状況には違いがみられます。

こうした背景から、正社員と比べてパートタイムは人材の需給が緩やかになっており、賃金水準にも影響を与えている可能性があります。

※本数値は2026年7月単月の数値であり、月ごとの季節要因や景気動向による変動がある点に注意が必要です。

2. 【正社員とパート】給料差5.5倍の裏にある「労働時間」と「賞与(6月分)」の影響

厚生労働省が2026年8月5日に公表した「毎月勤労統計調査(2026年6月分速報)」によると、正社員などの一般労働者の月間現金給与総額(基本給に各種手当や賞与を加えた額)は81万5745円、パートタイム労働者は14万6197円でした。

統計表「第1表 月間現金給与額」2/3

統計表「第1表 月間現金給与額」

出所:厚生労働省「毎月勤労統計調査 2026(令和8)年6月分結果速報」

約5.5倍という大きな給与差が存在しますが、これには「集計時期」と「労働時間」の違いが強く影響しています。6月分の給与には夏の賞与(ボーナス)が含まれているため、正社員の支給額が大きく膨らみ差が強調される傾向があります。

また、1ヶ月の総実労働時間(実際に働いた時間)を見ると、正社員の165.0時間に対してパートタイム労働者は86.6時間と約1.9倍の差があります。契約通りの時間を示す所定内労働時間(基本の労働時間)は正社員が150.6時間、パートタイム労働者が83.9時間です。さらに、所定外労働時間(残業や休日出勤の時間)は正社員の14.4時間に対しパートタイム労働者は2.7時間と、約5.3倍の開きが見られます。出勤日数も正社員が19.7日、パートタイムが14.5日と月に約5日の差があります。

パートタイムは個々の事情や生活スタイルに合わせて柔軟な働き方を選べる一方、労働時間の短さが月給の総額に影響を与えるのは構造上の要因と言えます。