6. 【資産寿命】貯蓄500万円を毎月5万円ずつ取り崩すと8.3年
貯蓄額と毎月の取り崩し額。この2つが分かれば、資産寿命は割り算で出せます。
ここでは貯蓄500万円を毎月5万円ずつ取り崩す場合を試算します。年金と支出の差額が月5万円ある方が対象のイメージです。
6.1 年60万円のペースは8.3年で行き止まり
- 貯蓄額:500万円
- 毎月の取り崩し額:5万円
- 年間の取り崩し額:60万円
- 資産寿命:8.3年
- 65歳から始めた場合:73歳頃まで
65歳から取り崩し始めると、70歳代の前半にあたる73歳頃で底をつく計算です。取り崩し額を抑えるか、収入を増やす手立てを考えておきたいところです。
※500万円÷(5万円×12)で求めた単純計算です。運用益や物価上昇、介護費用や住宅修繕といった突発的な支出は考慮していません。
取り崩し額を月1万円減らして4万円にすると、資産寿命は10.4年へ2.1年延びます。毎月の支出を少し抑えるだけでも、持つ期間は変わってきます。
6.2 運用を足しても0.8年しか延びない
残った資産を年率2パーセントで運用しながら取り崩すと、資産寿命は8.3年から9.1年へ、0.8年延びる計算になります。65歳から始めた場合、73歳頃までだったものが74歳頃までに動きます。
ただし年率2パーセントは保証された数字ではありません。相場が下がる年もあり、取り崩し始めに大きく値下がりすると資産の減り方は想定より速くなります。近い将来に使う分は現金で置いておくのが無難です。
貯蓄500万円を月5万円で取り崩すなら8.3年が目安です。取り崩し額が大きいほど運用で延ばせる幅は小さくなります。生活費の半年分から1年分は現金で確保したうえで検討してみてください。
7. 老後資金は平均額ではなく自分の年金額と収支で考える
65歳以上・無職夫婦世帯の平均貯蓄額は2494万円で、6年ぶりに前年を下回りました。有職世帯を含めた中央値は1777万円と、平均値より約790万円低い水準です。
一方で毎月の家計は約4万2000円の不足です。1年で約50万円、10年で約500万円を貯蓄から取り崩す計算になります。
2026年度の年金額は国民年金が満額で月7万608円ですが、実際の額は現役時代の加入状況で変わります。まずは自分の見込み額を「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確かめ、毎月の支出と並べてみてください。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2025年(令和7年)平均結果の概要-(二人以上の世帯)」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」
- 日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
三石 由佳
