3. 「BTF」や「エヴァ」とのコラボで新境地を開拓

近年のプラレールを見ると、タカラトミーがブランドの楽しみ方を広げようとしていることが分かります。

その象徴の一つが「PLARAIL」シリーズです。これは、プラレールを通じてさらに深く「鉄道」を楽しみたい人に向けた商品シリーズで、細部の造形や塗装、作品の世界観にもこだわっています。

さらに近年は、映像作品とのコラボレーションにも力を入れています。

2025年には、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3(BTF)』とのコラボ商品を発売。蒸気機関車131号と、劇中で印象的なタイムマシンを組み合わせ、映画のクライマックスを再現できる商品として話題になりました。

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出所:株式会社タカラトミー

出所:株式会社タカラトミー

この商品では、付属のタイムマシン(トミカ)がプラレールのレール上を走行できる特別仕様を採用しており、厳密には今回の「飛行機」が初めて「鉄道以外のもの」がプラレールのレール上を動く例ではありません。

また、同年には『エヴァンゲリオン』とのコラボも展開。劇中の鉄道車両や情景を再現し、単に列車を走らせるだけではなく、作品の世界観そのものを楽しむ商品へと進化させています。

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出所:株式会社タカラトミー

出所:株式会社タカラトミー

このように、プラレールの直近の戦略からは「鉄道をより深く楽しみたい大人向けの高付加価値化」と「コラボレーションで世界観を広げる」という方向性がうかがえます。「プラレールエアー」は後者の戦略を色濃く反映した商品といえるでしょう。

4. 新商品が示す「青いレール」の新たな役割

今回の商品で特に興味深いのは、飛行機そのものよりも「青いレール」の使い方です。

これまでプラレールにとってレールは、文字通り「電車を走らせるための線路」でした。

しかし、飛行機を走らせるとなると、レールはもはや鉄道の線路ではなく、さまざまな乗り物を動かすための共通の「遊びのインフラ」になります。

しかも今回は、レールを縦方向に使うという発想も加わりました。1959年から続く青いレールを維持しながら、その使い方そのものを変えようとしているのは、注目すべきポイントです。

長年変わらなかった規格は守りながら、何を走らせるのかは自由にする。今回の商品は、プラレールが「鉄道玩具」から「青いレールを中心にさまざまな乗り物や世界観を楽しむブランド」へと進化していく可能性を示した商品といえるでしょう。

5. SNSでは「AI生成かと思ったら…」と驚きの声も

今回の意外性のある新商品を受け、SNSでは、

  • 「AI生成かと思ったら、公式???」
  • 「これは60歳でも欲しいぞ!」
  • 「今年イチ欲しいおもちゃがきてしまった」

といった驚きと期待の声が上がっています。

また、今回はANAの旅客機とのコラボですが、「いろんな機種や航空会社で展開して欲しい」という反応が早くも見受けられました。

プラレールファンはもちろんですが、プラレールエアーは航空ファンも巻き込んだ盛り上がりになっており、新機軸のプラレールとして、既存のユーザー以外にも届く商品になるかもしれません。

6. トレンドウォッチャーのひとこと

大蔵 大輔

プラレールは日本で生まれた鉄道玩具ですが、近年はアジアを中心に幅広い地域に展開しています。

プラレール単独の海外売上高は公表されていないものの、同社は2025年3月期の決算で、プラレールを含むクラシックブランドが幅広い年齢層・地域への展開によって売上を伸ばしたと説明しています。

新幹線は日本を代表する乗り物ですが、飛行機は国境を越えて誰もが知る存在です。

鉄道文化の違いに左右されにくい飛行機を新たな主役にすることで、プラレールは「日本の鉄道玩具」から、より世界に伝わりやすい「乗り物の遊び」へと進化する可能性があります。

67年続いた青いレールに、今度は飛行機が乗った。今回の新商品は、プラレールを世界へ運ぶ新しい翼になるのかもしれません。

参考資料

大蔵 大輔