「年金生活者支援給付金って、自分も対象になるのかな?」「請求したら、いつから受け取れるのだろう」—年金で暮らすなかで、そんな疑問を持った方もいるかもしれません。

年金生活者支援給付金は、対象になる方はきちんと請求してもらうことが何より大切な制度です。

今回は、対象になる要件と2026年度(令和8年度)の金額、そして請求してから受け取るまでの流れと「いつから受け取れるのか」を、公的な情報をもとに整理していきましょう。

※本記事は一部「【増額が決定!】2026年4月分からの「年金生活者支援給付金」給付基準額はいくらに?《支給対象になる人》や手続き方法を解説」を引用のもと執筆しています。

1. この記事の3つのポイント

  •  対象は「老齢・障害・遺族」の3種類。老齢は65歳以上・世帯全員が住民税非課税などが要件
  •  老齢の基準額は月「5620円」(令和8年度・納付済期間に応じて計算)、令和7年度比で3.2%増
  •  給付金は年金と同じ偶数月の15日に振り込み。まずは9月ごろ届く請求書の提出が第一歩

2. 【年金生活者支援給付金】対象になる要件とは?老齢の場合

日本年金機構によると、年金生活者支援給付金は「公的年金等の収入やその他の所得額が所得基準額以下の年金受給者の生活を支援するために、年金に上乗せして支給されるもの」です。

給付金には「老齢(補足的老齢)」「障害」「遺族」の3種類があります。ここでは、多くの方に関わる老齢年金生活者支援給付金を中心にみていきましょう。

老齢年金生活者支援給付金の対象となるのは、次の3つをすべて満たす方です。

老齢年金生活者支援給付金の支給条件1/2

老齢年金生活者支援給付金の支給条件

出所:日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」

  • 65歳以上で老齢基礎年金を受給している
  • 同一世帯にいる全員の市町村民税が非課税である
  • 前年の公的年金などの収入金額(※1)とその他の所得の合計が、昭和31年4月2日以降生まれの方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前生まれの方は80万6700円以下である(※2)

※1 障害年金や遺族年金といった非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以降生まれの方で合計額が80万9000円を超え90万9000円以下の方、昭和31年4月1日以前生まれの方で80万6700円を超え90万6700円以下の方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

年金を含めた所得が一定以下の方が対象となるのが老齢年金生活者支援給付金です。

宮野 茉莉子
所得の目安のほか、世帯全員が住民税非課税という条件は見落とされやすいところです。3つのポイントをまずは知っておきましょう。

3. 2026年度(令和8年度)の基準額はいくら?

気になる金額を確認しましょう。日本年金機構によると、老齢年金生活者支援給付金の基準額は月「5620円」(令和8年度)で、実際の額は保険料を納めた期間などに応じて計算されます。この基準額は、令和7年度と比べて「3.2%」引き上げられ、物価変動率をもとに改定されました(令和8年4月分から)。

年金生活者支援給付金の支給金額2/2

年金生活者支援給付金の支給金額

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」

3種類それぞれの金額は、次のとおりです。

  • 老齢年金生活者支援給付金(基準額):月額5620円
  • 障害年金生活者支援給付金:障害等級1級は月額7025円、2級は月額5620円
  • 遺族年金生活者支援給付金:月額5620円

なお、月額5620円を基準として、保険料納付済期間等に応じて算出されるため、個人差がかなり大きくなります。

対象者には9月に届く「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」には、請求手続きした場合に支給される見込額(月額)は記載されています。

宮野 茉莉子
金額の大小そのものより、「毎年見直される」点に注目したいところです。物価が上がる局面では、こうした上乗せが家計の下支えになります。ご自身が実際にいくら受け取れるかは、後述のはがきに見込額(月額)が記載されますので、そちらで確かめるのが確実です。

4. 9月に請求手続きをしたらいつ頃から受け取れるようになるか

最後に、実際に受け取るまでの流れと、いつから受け取れるのかを整理します。

まず、新たに対象となる方には、日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が、毎年9月の第1営業日から順次送付されます。届いたはがきに氏名などを記入し、同封の目隠しシールを貼って郵便ポストに投函すれば手続きは完了です(※令和7年1月以降に届いた方は電子申請も利用できます)。

「年金生活者支援給付金請求書」を提出すると、それから1~2カ月後に「年金生活者支援給付金 支給決定通知書」が届きます。また、初回支払いがある月の上旬には、日本年金機構から「振込通知書」が届きます。その通知書に支給額が記載されています。

気になるいつから受け取れるのかですが、給付金は年金と同じスケジュールで支払われます。日本年金機構によると、原則として年6回に分けて、偶数月(2・4・6・8・10・12月)の15日に、年金と同じ受取口座へ、年金とは別に振り込まれます(15日が土日・祝日のときは直前の金融機関の営業日)。各支払月には、前月までの2カ月分がまとめて支払われます。

なお、いったん支給が決まれば、支給要件を満たしている限り、2年目以降の手続きは原則として不要です。また、年金同様、毎年度改定されますので確認をするようにしましょう。

5. 元金融機関出身の筆者よりコメント

年金生活者支援給付金は、年金に上乗せして受け取れる制度で、老齢の場合は「65歳以上」「世帯全員が住民税非課税」「前年の所得が基準額以下」といった要件があります。令和8年度の基準額は月5620円で、前年度から3.2%の引き上げとなりました。給付金は年金と同じ偶数月の15日に振り込まれ、受け取りの第一歩は9月ごろ届くはがきの提出です。

宮野 茉莉子
年金生活者支援給付金は2019年からはじまった制度でなかには知らない方もいるかもしれません。金額は月数千円と大きくはないかもしれませんが、年間にすればまとまった額になり、物価高が続くなかでは家計の確かな下支えになります。制度はあるのに使われないことが、いちばんもったいないでしょう。ポイントは、9月ごろ届く「はがき型の請求書」を放置しないこと。記入して出すだけで手続きは完了し、いったん支給が決まれば2年目以降は原則として手続き不要です。対象になりそうなご家族が身近にいらっしゃれば、声をかけて一緒にはがきを確認してあげるのもいいでしょう。ご自身が対象かどうか迷うときは、日本年金機構やお近くの年金事務所で確認できます。まずは「自分は関係ない」と思い込まないことから始めていただければと思います。また、この制度のように新たな制度ができたり、制度が変わったりする可能性もありますので、年金などに関する情報は常に収集するようにするといいでしょう。

参考資料

宮野 茉莉子