4. 採用1年目の国家公務員の6月の期末手当は3割になる

初任給とあわせて気になるのが、1年目のボーナスです。国家公務員の期末手当は、在職期間の長さによって支給の割合が変わります。

4.1 期末手当は基準日以前6か月の在職期間で割合が決まる

給与法では、期末手当は6月1日と12月1日を基準日として支給されます。額は期末手当基礎額に支給割合を掛け、さらに基準日以前6か月以内の在職期間に応じた割合を掛けて計算します。

在職期間に応じた割合は、6か月で100分の100、5か月以上6か月未満で100分の80、3か月以上5か月未満で100分の60、3か月未満で100分の30です。

4.2 4月1日に採用された職員は6月期が100分の30

4月1日に採用された職員の場合、6月1日の基準日までの在職期間は2か月です。3か月未満にあたるため、6月期の期末手当は100分の30になります。

現行の給与法で6月期の支給割合は100分の126.25です。地域手当が付かない勤務地で俸給が24万2000円の職員なら、24万2000円×1.2625×0.3で、6月期の期末手当は約9万1700円になる計算です。

4.3 12月期は在職6か月で満額になる

12月1日の基準日には、6月2日から12月1日までの在職期間が6か月になるため、在職期間の割合は100分の100です。2026年の勧告では、12月期の期末手当を1.2625月分から1.2875月分に引き上げるとしています。

勤勉手当も勤務期間や勤務成績によって支給の割合が決まります。細かな取扱いは人事院規則で定められているため、実際の額は勤務先の給与担当で確かめてください。

5. 勤務地の地域手当で国家公務員の初任給の月額は変わる

初任給として示される額は俸給月額で、勤務地によってはここに地域手当が加わります。給与法の定めから、勤務地ごとの月額を計算してみます。

5.1 地域手当は俸給などの合計に級地の割合を掛けた額

給与法では、地域手当の月額は、俸給、俸給の特別調整額、専門スタッフ職調整手当、扶養手当の月額の合計に、級地ごとの割合を掛けた額と定められています。割合は1級地が100分の20、2級地が100分の16、3級地が100分の12、4級地が100分の8、5級地が100分の4です。

人事院は、東京都特別区に勤務する職員には月給の20%が地域手当として支給されると説明しています。横浜市や大阪市などは2級地です。

5.2 東京都特別区の総合職(大卒)なら月29万400円

現行の総合職(大卒)の初任給24万2000円で計算すると、東京都特別区では地域手当が4万8400円付き、合計は29万400円です。横浜市や大阪市などの2級地では28万720円になります。

勧告どおり25万1500円に改定されると、東京都特別区では30万1800円、2級地では29万1740円です。同じ初任給でも、勤務地によって月額に差が出ます。

5.3 地域手当は期末手当の基礎額にも入る

期末手当基礎額には、俸給に対する地域手当も含まれます。東京都特別区の総合職(大卒)なら、1年目の6月期は29万400円×1.2625×0.3で、約11万円になる計算です。

配属先がどの級地にあたるかは人事院規則で決まっているため、採用後は勤務先の給与担当で確かめておくと安心です。

6. まとめ

2026年8月の人事院勧告で、国家公務員の初任給は一律9500円の引上げが示されました。総合職(大卒)は25万1500円、一般職(大卒)は24万1500円、一般職(高卒)は20万9800円です。

民間企業の新規学卒者の賃金は、令和7年で大学26万2300円、高校20万7300円でした。俸給と所定内給与額では含まれる手当が違うため、並べるときは数え方の違いに気をつけたいところです。

勤務地の地域手当によって月額は変わり、東京都特別区の総合職(大卒)なら現行で月29万400円です。採用1年目の6月の期末手当は在職期間の割合が100分の30になるため、1年目の収入は月額とボーナスを分けて見積もっておくと見通しが立てやすくなります。

7. 貯蓄や保険をこのまま続けるか迷ったら。ファイナンシャルアドバイザー・奥田朝が伝えたいこと

初任給やボーナスの見通しが立つと、毎月の貯蓄や保険、運用をどう組み合わせるかを考える場面も出てきます。今の貯蓄や保険をそのまま続けるか、運用に切り替えるかで迷ったときの考え方をみてみます。

7.1 【ファイナンシャルアドバイザー・奥田朝が回答】運用効率とインフレ対策、保障と運用のバランスを整理する

奥田 朝
運用効率面で見直しを検討される方は少なくありません。むしろ、「今のままの貯蓄や保険で老後も安泰だ」と決めつけずに、創意工夫を凝らすことは素晴らしいことです。

運用手法を選択する上で大切なのは、「目的」と「投資方針・意向」になります。老後資金の準備やインフレに負けない備えが目的の場合、現在の運用効率を確認し、このままで必要な金額を準備することができるのか、インフレ対策になっているかを判断しましょう。

さらにご自身の投資方針が「安定型」から「積極型」に変化していれば取り入れられる方法・選択肢も広がるでしょう。

参考資料

奥田 朝