2026年8月7日、人事院は国家公務員の給与に関する勧告を行いました。月例給の引上げにあわせて、初任給は一律9500円の引上げが示されています。

勧告どおりに改定されると、総合職試験から採用される大卒の初任給は25万1500円になります。一般職の大卒は24万1500円、高卒は20万9800円です。

この記事では、国家公務員の初任給が勧告でどう変わるのかを確認したうえで、民間企業の新規学卒者の賃金もあわせて見ていきます。

1. 国家公務員の初任給は採用試験の区分と学歴で決まる

国家公務員の初任給は、どの採用試験で採用されたか、学歴はどうかによって額が違います。人事院の勧告資料が示している3つの区分を確認します。

1.1 総合職(大卒)・一般職(大卒)・一般職(高卒)の3区分

人事院の「本年の給与勧告のポイントと給与勧告の仕組み」では、初任給の例として総合職(大卒)、一般職(大卒)、一般職(高卒)の3つが挙げられています。

1.2 現行の初任給は24万2000円・23万2000円・20万300円

勧告後の額から引上げ分の9500円を引くと、現行の初任給は総合職(大卒)が24万2000円、一般職(大卒)が23万2000円、一般職(高卒)が20万300円です。

令和8年4月1日時点の給与法の行政職俸給表(一)にも、同じ額の俸給月額が載っています。

2. 2026年8月の人事院勧告で国家公務員の初任給は一律9500円の引上げ

2026年の人事院勧告では、民間の動向や人材確保の重要性をふまえ、初任給を一律9500円引き上げるとしています。区分ごとの改定後の額と引上げ率を見ていきます。

2.1 総合職(大卒)は25万1500円、引上げ率は3.9%

改定後の初任給は、総合職(大卒)が25万1500円(+3.9%)、一般職(大卒)が24万1500円(+4.1%)、一般職(高卒)が20万9800円(+4.7%)です。

引上げ額は同じ9500円のため、もとの額が低い高卒ほど引上げ率は大きくなります。

引上げ額は3区分とも9500円で、総合職(大卒)は24万2000円から25万1500円になります1/2

国家公務員の総合職(大卒)・一般職(大卒)・一般職(高卒)について、現行の初任給と人事院勧告後の初任給を並べた横棒グラフ

出所:人事院「本年の給与勧告のポイントと給与勧告の仕組み」をもとにLIMO編集部作成

区分ごとの初任給は次のとおりです。

  • 総合職(大卒):現行24万2000円、勧告後25万1500円(+3.9%)
  • 一般職(大卒):現行23万2000円、勧告後24万1500円(+4.1%)
  • 一般職(高卒):現行20万300円、勧告後20万9800円(+4.7%)

2.2 月例給全体の改定率は3.51%、行政職俸給表(一)の平均は3.3%

今回の勧告は、民間との月例給の差1万5056円(3.51%)を解消するためのものです。行政職俸給表(一)の平均改定率は、1級4.0%、2級3.6%、3級3.4%、4級3.1%、5級から10級3.0%で、全体では3.3%とされています。

俸給の改定は令和8年4月実施とされています。勧告は国会と内閣に対して行うもので、実際の俸給は勧告を受けた給与法の改正で決まります。

3. 民間企業の新規学卒者の賃金は大学26万2300円、高校20万7300円

国家公務員の初任給が民間と比べてどのくらいなのかを見るため、厚生労働省の賃金構造基本統計調査から新規学卒者の賃金を確認します。

3.1 令和7年の新規学卒者の賃金は5区分とも前年より増えた

令和7年賃金構造基本統計調査によると、新規学卒者の賃金は男女計で、高校20万7300円、専門学校23万700円、高専・短大23万5500円、大学26万2300円、大学院29万9000円でした。

対前年の増減率は、大学が5.6%、高校が5.0%で、どの学歴でも前年を上回っています。

大学は26万2300円で前年比5.6%増。5つの学歴すべてで前年を上回りました2/2

令和7年賃金構造基本統計調査の新規学卒者について、高校・専門学校・高専短大・大学・大学院の学歴別賃金と対前年増減率を並べた表

出所:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 高校:20万7300円(前年比5.0%増)
  • 専門学校:23万700円(前年比3.5%増)
  • 高専・短大:23万5500円(前年比5.2%増)
  • 大学:26万2300円(前年比5.6%増)
  • 大学院:29万9000円(前年比4.0%増)

3.2 国家公務員の俸給と民間の賃金は数え方が違う

国家公務員の初任給は俸給月額で、勤務地によって付く地域手当などは含まれていません。一方、賃金構造基本統計調査の賃金は所定内給与額で、残業代は含みませんが、会社が決まって支給する手当は含まれます。

調査の時点も、民間は令和7年、国家公務員の勧告後の額は令和8年4月実施分です。並べて見るときは、この2つの違いを押さえておく必要があります。