6. 年金から天引きされる税金・社会保険料のなかみとは?

ここでは年金から原則、天引きされるものをおさらいしましょう。日本年金機構によると、年金からは市区町村などの依頼にもとづき、次のような保険料・税金が原則「特別徴収」(天引き)されます。

  • 介護保険料
  • 国民健康保険料(税)または後期高齢者医療保険料
  • 個人住民税および森林環境税
  • 所得税および復興特別所得税

このうち介護保険料が天引きされるのは、原則として65歳以上で、年間の年金受給額が18万円以上の方です。会社員時代は給与から天引きされていた保険料や税金が、年金生活でも形を変えて続く、とイメージするとわかりやすいかもしれません。

川勝 隆登
老後のお金を考えるとき、私が何より大切だと思うのは、「額面」ではなく「手取り」で家計を組み立てることです。年金が月15万円と聞くと、その全額が使えるように感じてしまいますが、実際には介護保険料や住民税などが引かれ、手元に残るのはそれより少なくなります。だからこそ、使える控除はきちんと反映させたいところです。とくに配偶者を扶養している方や、障害者控除の対象になる方がいるご家庭では、扶養親族等申告書を出すことで手取りが変わる場合があります。難しそうな書類ほど、開けずにしまい込んでしまいがちですが、まずは中身を確認して、自分に当てはまる控除があるかどうかを見てみてください。そのうえで、年に一度届く年金振込通知書で「実際の振込額」を確かめておくと、家計の見通しが立てやすくなります。

7. まず「自分は控除の対象項目があるか」確認を

川勝 隆登
税金や控除の書類は「自分に関係あるかどうか」を最初に見極めるのが近道です。扶養親族等申告書なら、配偶者を扶養しているか、障害者控除などの対象になる家族がいるか…などの項目に当てはまるかが大切ですので、これを機に書類をじっくり確認し、自分は控除項目の対象となるか確認して把握をしておきましょう。当てはまるなら、提出することで年金から引かれる所得税が軽くなり、手取りに差が出ることもあります。当てはまらなければ、提出は不要です。もし判断に迷ったら、同封の記入例や年金ダイヤルで確認できます。万一出しそびれても、確定申告で取り戻せる場合があります。大切なのは、届いた書類を開けずにしまい込まないこと。中身を確認して、自分に必要かどうかを判断する。その一手間が、受け取れるお金を守ることにつながります。

8. この秋、扶養親族等申告書が届いたらやりたい3つのこと

扶養親族等申告書は、年金にかかる所得税に各種の控除を反映させるための書類です。毎年9月ごろ、源泉徴収の対象となる方に翌年分が届きます。年金は額面から税金や社会保険料が天引きされるため手取りは少なくなりますが、控除を反映させれば、その差を抑えられます。

届いたら、次の3つを確認しておきましょう。

  • 封書を開けて、自分に当てはまる控除(配偶者・扶養・障害者など)があるかを確認する
  • 当てはまるなら、期限(その年最初に年金を受ける日の前日)までに、紙またはスマホ・パソコンで提出する
  • 出しそびれても、確定申告で納めすぎた所得税を取り戻せる場合があることを覚えておく

大切なのは、難しそうだからと開けずにしまい込まないことです。まずは中身を確認し、自分に必要かどうかを見極めるところから始めてみてください。

参考資料

川勝 隆登