7. 監修者コメント:年金額を「増やす」選択肢を後悔なく選ぶために

中本 智恵

繰下げ受給などの「増やす選択肢」に関心を持たれる方は年々増えている印象です。ただ、実際に選択される方はまだ多くありません。理由としてよく聞かれるのが、「何歳まで生きるか分からないのに、繰り下げて本当に得なのか判断できない」という声です。

この不安に対する私からのアドバイスは、「損得だけで判断しない」ということです。繰下げ受給の損益分岐点は一般的に11年前後とされていますが、それよりも大切なのは、繰り下げている間の生活費を年金以外の収入でまかなえる見通しがあるかどうかです。見通しが立たないまま無理に繰り下げると、かえって家計を圧迫してしまいます。

フリーランスや自営業の方で国民年金第1号被保険者に該当する場合は、iDeCoと付加年金などの併用も含めて、早いうちに検討しておくことをおすすめします。年金額を増やす方法は一つではないので、ご自身の働き方や貯蓄状況に合わせて、複数の選択肢を組み合わせて考えていただきたいです。

8. まとめ

今回は、公的年金の仕組みや平均受給額、ライフコース別のモデルケースについて見てきました。

データが示す通り、年金の受給額は現役時代の働き方や加入歴によって大きく異なり、まさに「十人十色」です。

平均額を見て安心したり、逆に不安になったりするかもしれませんが、大切なのはご自身の状況を正確に把握することです。

年に一度送られてくる「ねんきん定期便」や、いつでも最新の情報を確認できる「ねんきんネット」などを活用し、ご自身の年金記録や将来の見込額を確認してみてはいかがでしょうか。

これからの人生をより豊かに過ごすためにも、ご自身の年金について理解を深め、計画的な準備を進めることが重要です。

参考資料

中本 智恵