7. コラム:物価高が直撃!データで見るシニア世帯の厳しい家計実態
長引くインフレは、年金生活を送るシニア世帯の家計を直撃しています。
金融経済教育推進機構(J-FLEC)が発表した「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」のデータによると、70歳代の世帯において、現在の暮らし向きについて「ゆとりがない・苦しい」と感じている割合は、二人以上世帯・単身世帯ともに87.7%に達しています。
その最大の理由として、半数以上の世帯が「物価の上昇」を挙げています。
さらに、総務省の「家計調査(2025年平均結果)」データを見ても、75歳以上の後期高齢シニア夫婦(無職・二人以上世帯)の1カ月当たりの平均収支は、実収入が25万2798円(うち公的年金などの社会保障給付が21万1289円)に対し、消費支出と非消費支出を合わせた実支出は28万23円にのぼります。
結果として、毎月2万7225円の赤字が生じており、貯蓄を取り崩して生活を維持せざるを得ない実態が示されています。
年金額は物価変動に応じて引き上げられているものの、急激な物価上昇のペースに完全に対応することは難しく、シニア世帯の生活費の不足分を埋める自衛策や、上乗せ給付金を漏れなく申請する重要性がこれまで以上に高まっています。
8. 意外と知らない?給付金が「非課税所得」であることの大きなメリット
年金生活者支援給付金は、受け取っても税金がかからない「非課税所得」に指定されています。これは家計にとって大きな隠れたメリットと言えます。
まず、給付金を受け取っても所得税や住民税は一切課税されません。
さらに重要なのは、翌年度の住民税や、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、介護保険料を算定する際の所得金額にも含まれないという点です。
これらの保険料や税金は前年の所得をもとに算定されるため、給付金を受給したからといって翌年の支払負担が増える心配はありません。家計管理の上でぜひ知っておきたい、この制度の嬉しいポイントです。
9. まとめ:申請が必須!制度を理解して家計を守ろう
2026年度の年金生活者支援給付金は、近年の物価上昇を背景に給付額が引き上げられました。
夫婦2人で要件を満たせば年間で約13万5000円の収入増となり、家計の負担を和らげる一助となります。
ただし、日本の社会保障制度の多くは、自ら「申請しなければ支給されない」仕組みです。
ご自身が対象かどうか、またご両親が案内書類を見過ごしていないか、この機会に確認してみてはいかがでしょうか。
10. 監修者からのコメント
「物価高が続くなか、公的年金を補う給付金制度の活用は不可欠です。
しかし、社会保障制度の多くは、手続きを行わなければ適用されない『申請主義』が原則です。
2026年8月からは口座情報の確認を簡略化する『公金受取口座登録に関する意向確認書』の送付も順次始まります。
帰省などの機会を活用し、大切な通知がご実家に届いていないか家族間で書類を確認し合い、手続きをサポートすることが老後の確かな安心に繋がります。」
参考資料
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
池上 翠


