近年は株高や資産運用の広がりを背景に、「富裕層」や「超富裕層」が増えているといわれている一方で、物価上昇が続くなか、老後資金や生活費への不安を感じる世帯も少なくありません。
実際、資産1億円以上を保有する世帯は増加傾向にあるものの、日本全体で見ると依然として少数派です。
また、平均的な貯蓄額は年代や世帯構成によって差が大きく、平均値だけでは実態が見えにくい側面もあります。
「一億円」と聞くと自分には縁のない話に感じるかもしれませんが、実は資産運用を続けるなかで気づいたら富裕層に近づいていた、という方も少なくありません。だからこそ、まずは客観的なデータで自分の立ち位置を知ることが、将来の安心につながる第一歩になります。
そこで本記事では、日本にどれくらいの富裕層・超富裕層が存在するのかを確認しながら、年代別の平均貯蓄額について詳しく見ていきます。
1. この記事の3つのポイント
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純金融資産1億円以上を持つ「富裕層」「超富裕層」は合計約165万世帯(全世帯の約2.96%)で2005年以降最多水準 -
単身世帯の平均貯蓄額は20歳代255万円から70歳代1489万円まで、年代とともに増加 -
平均値と中央値には大きな開きがあり、貯蓄額の実態は世帯構成や年代によって大きく異なる
2. 日本に「富裕層」「超富裕層」はどれくらいいる?
株式会社野村総合研究所の「日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計」によると、2023年時点の富裕層・超富裕層の世帯数は、2005年以降で最も多い水準となりました。
同調査によると、純金融資産の保有額は以下のように示されています。
- 富裕層:1億円以上5億円未満
- 超富裕層:5億円以上
では、こうした世帯は日本全体の中でどの程度の割合を占めているのでしょうか。
2.1 資産階層別に見る「世帯数」と割合
- 富裕層:153万5000世帯
- 超富裕層:11万8000世帯
全世帯に占める割合は以下のとおりです。
- 富裕層:約2.75%
- 超富裕層:約0.21%
なお、前回調査(2021年)では以下の結果でした。
- 富裕層:139万5000世帯
- 超富裕層:9万世帯
割合だけを見ると少数派に感じられますが、世帯数は増加傾向にあります。
実は私自身も24歳のときにオール・カントリーと日本株で資産運用を始めましたが、高値づかみで一時半値になった経験があります。富裕層が増えている背景にも、株式や投資信託の値上がりを地道に運用し続けてきた結果という側面があり、一時的な下落に一喜一憂せず学び続ける姿勢が大切だと感じています。
3. 【年代別】20歳代〜70歳代の平均貯蓄額(平均値・中央値)
本章では、金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」を参考に、年代別の貯蓄状況を見ていきます。
3.1 【20歳代〜70歳代】単身世帯の平均貯蓄額
まずは、単身世帯のデータから確認しましょう。
- 20歳代:平均値255万円・中央値37万円
- 30歳代:平均値501万円・中央値100万円
- 40歳代:平均値859万円・中央値100万円
- 50歳代:平均値999万円・中央値120万円
- 60歳代:平均値1364万円・中央値300万円
- 70歳代:平均値1489万円・中央値500万円
全体としては、年齢とともに貯蓄額が増える傾向が見られます。
とくに60歳代では中央値の伸びが大きく、退職金の受け取りなどが影響している可能性があるでしょう。
3.2 【20歳代〜70歳代】二人以上世帯の平均貯蓄額
続いて、二人以上世帯の平均貯蓄額を確認していきましょう。
- 20歳代:平均値525万円・中央値125万円
- 30歳代:平均値1096万円・中央値311万円
- 40歳代:平均値1486万円・中央値500万円
- 50歳代:平均値1908万円・中央値700万円
- 60歳代:平均値2683万円・中央値1400万円
- 70歳代:平均値2416万円・中央値1178万円
二人以上世帯では、平均値・中央値ともに単身世帯を上回っています。
また、子どもがいる世帯も含まれるため、将来への備えとして貯蓄を重視するケースもあると考えられます。
平均値と中央値の差が大きいのは、一部の資産家が平均を押し上げているためです。「自分の家計は平均より低いから遅れている」と焦る必要はなく、中央値も参考にしながら、ご自身のペースで資産形成を続けることが何より大切だと思います。
4. 監修者コメント:現役世代が貯蓄データを実際の資産形成に生かすアドバイス
今回のデータを見ると、純金融資産1億円以上を保有する富裕層・超富裕層は全世帯の約3%にとどまる一方、貯蓄額は平均値と中央値で大きな開きがあることがわかります。
銀行の窓口でも、平均貯蓄額と比べて「自分は少ないのではないか」と不安を感じるご相談を数多くいただいてきましたが、平均値は一部の高額資産保有世帯に引き上げられている面が大きく、中央値のほうが実態に近いケースも少なくありません。
実際、J-FLECの調査では、生活費の確保が難しいと感じる割合は二人以上世帯で60歳代33.6%・70歳代26.5%であるのに対し、単身世帯では60歳代50.7%・70歳代35.5%と、世帯構成によって負担感に差が出ています。ご自身の世帯構成に近いデータと照らし合わせて確認しておくことをおすすめします。
資産形成のペースは年収や家族構成によって異なるため、他人と比較しすぎず、収入の中から無理のない範囲で貯蓄や資産運用を続ける習慣を持つことが、将来の安心につながる第一歩になるでしょう。
5. 富裕層は増加傾向でも「自分に合った備え」が重要
本記事では、日本における「富裕層と超富裕層の割合」や、年代別の「平均貯蓄額・中央値」について解説しました。
純金融資産1億円以上を保有する富裕層・超富裕層は増加傾向にあるものの、日本全体で見ると依然として一部に限られています。
一方、一般世帯の貯蓄額を見ると、年代や世帯構成によって差が大きく、平均値と中央値にも開きが見られました。
自分の家計状況を客観的なデータと照らし合わせながら、無理のない範囲で資産形成を進めていくことが大切です。
参考資料
- 株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計」
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
菅原 美優

