将来に備えて、毎月コツコツと銀行預金を積み立てている方は非常に多いでしょう。しかし、物価が上昇を続ける現在の状況において、「ただ貯金をしているだけで、本当に資産を守り、増やせているのだろうか」と不安を覚えることはありませんか。
同じ金額を毎月積み上げていくにしても、銀行に預け続ける場合と、税制優遇が受けられる「新NISA」を活用して投資に回す場合とでは、将来手元に残る金額に大きな開きが生じる可能性があります。
仮に15年間という期間にわたって積み立てを継続した場合、その運用の選択によって将来の資産額には数百万円以上の差が生まれることも珍しくありません。
本記事では、毎月一定額を「預金」した場合と「新NISAで積立投資」した場合を比較し、15年後の資産額にどのような違いが出るのかを具体的なシミュレーションをもとに解説します。
1. この記事のポイント
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銀行預金での15年後の試算とリスク:毎月5万円を15年間(元本900万円)年0.6%で預金した場合の最終資産は約941万円にとどまり、利息への課税やインフレによる資産価値の目減りリスクが生じます。 -
新NISA運用による将来資産の比較:同じ条件(月5万円・15年)で新NISAを活用した場合、年利3%で約1131万円、年利5%で約1324万円、年利10%で約1992万円となり、預金との差は最大で1000万円以上に広がります。 -
新NISAの非課税制度と複利効果:通常約20.315%かかる運用益が全額非課税かつ無期限となり、長期で運用を続けるほど利益が利益を生む「複利効果」によって資産形成の効率が高まります。
2. 「月5万円」を15年続けた場合の貯金額はいくら?
結論からお伝えすると、毎月5万円を銀行預金として積み立てた場合、15年間での元本は合計「900万円」となります。
近年は日本銀行の利上げの影響もあり、定期預金や一部のネット銀行における優遇金利(普通預金)は年0.6%前後まで上昇していますが、資産を大きく増やすには十分とはいえない水準です。
この条件で15年間預け続けた場合、得られる利息は約41万円(税引前)にとどまり、最終的な資産額はおよそ941万円となります。
ただし、利息には約20%の税金がかかるため、実際に手元に残る金額はこれより少なくなります。
加えて注意したいのがインフレの影響です。
年2%の物価上昇が続いた場合、15年後には同じ商品を購入するのに現在よりも多くのお金が必要になります。
そのため、預金額自体は増えていても、お金の実質的な価値は下がる可能性があります。
このように、預金は元本が減りにくいという安心感がある一方で、利息は限定的であり、インフレの影響によって実質的な資産価値が目減りする可能性もあります。
では、同じ「月5万円」を積み立てる場合、より効率的に資産形成を目指す方法はないのでしょうか。
そこで注目されているのが、税制優遇を受けながら投資ができる「新NISA」という制度です。
3. 効率的な資産づくりの新定番「新NISA」の基礎知識
NISA(少額投資非課税制度)とは、投資活動によって得られた運用益に本来かかるはずの税金が免除されるお得な仕組みです。
通常、株式や投資信託などの取引で得た運用益や配当金には、約20.315%の税金が課されます。しかし、NISAの専用口座を通じて運用を行えば、これらの利益はすべて非課税となり、税負担による目減りを防ぐことができます。
具体的な例を挙げると、毎月5万円を銀行で積み立てたケースでは、15年間の元本累計が900万円になります。年0.6%の利回りで複利運用できた場合の最終的な資産額は約941万円です。
しかし、一般的な課税口座の場合はこの増えた部分(約41万円)に対して約20%の税金が課されるため、手取り額は少なくなってしまいます。
一方で、同じ金額をNISA口座の中で運用して同様の利益を得た場合には、税金が一切かからないため、将来受け取れる額をそのまま手元に残すことが可能です。
これまでも広く知られていた制度ですが、2024年1月からはより使いやすく魅力的な仕組みへと大幅に拡充され、「新NISA」として新たにスタートしています。
3.1 制度スタートから約2年!進化した「新NISA」のメリット
新NISAは、それまでの旧制度と比べて年間の投資制限枠が大幅に引き上げられ、非課税の仕組みもさらに便利に使いやすく進化しました。
旧NISAにおけるつみたて型の年間投資枠は最大40万円と限られていましたが、新NISAに刷新されてからは年間の非課税投資上限額が大きく引き上げられ、より多くの資金を非課税枠での運用に充てられるようになっています。
さらに、以前の制度では非課税で保有できる期間に数年〜20年といった期限が定められていましたが、新制度では非課税保有期間が無期限化され、自分のライフプランに合わせてじっくりと長期の資産形成に取り組めるようになりました。
それでは、新NISAを活用して毎月5万円の積立を続けた場合、15年後の資産には具体的にどれほどの差が生じるのでしょうか。
4. 【利回り別】新NISAで積立投資した場合、15年後の資産額はいくらになる?
本章では、毎月5万円を15年間積み立てた場合について、利回りごとのシミュレーションをもとに資産の変化を確認していきます。
4.1 利回り3%で運用した場合の資産額
毎月5万円を積み立て、期間を15年間、想定利回りを年3%とした場合の将来の資産額は、以下のとおりです。
- 投資元本:900万円
- 運用収益:231万円
- 資産合計(元本+収益):1131万円
4.2 利回り5%で運用した場合の資産額
毎月5万円を積み立て、期間を15年間、想定利回りを年5%とした場合の将来の資産額は、以下のとおりです。
- 投資元本:900万円
- 運用収益:424万円
- 資産合計(元本+収益):1324万円
4.3 利回り10%で運用した場合の資産額
毎月5万円を積み立て、期間を15年間、想定利回りを年10%とした場合の将来の資産額は、以下のとおりです。
- 投資元本:900万円
- 運用収益:1092万円
- 資産合計(元本+収益):1992万円
年利3%を想定したシミュレーションでは、15年間の積立による運用益はおよそ231万円となり、預金のみの場合と比べると、資産を増やす効果が期待できるといえるでしょう。
さらに、年利5〜10%で運用できた場合には、約424万円〜1092万円の運用益が見込まれ、最終的な資産額は1300万円を超え、10%では元本の2倍以上になります。
5. 資産差はいくら?「貯金 vs 投資」の決定的な違い
ここまで見てきたとおり、毎月5万円を15年間積み立てた場合、銀行預金では最終的な資産額は約941万円にとどまります。
一方で、新NISAを活用した積立投資では、利回りによって大きな差が生まれます。
たとえば、年利3%で運用した場合は約1131万円となり、預金と比べて190万円の差が生じます。
さらに、年利5%では約1324万円、年利10%では約1992万円となり、預金との差はそれぞれ約383万円、約1051万円に広がります。
この差を生み出している要因が「複利」です。
複利とは、運用によって得た利益が元本に組み込まれ、その利益にもさらに利益がついていく仕組みを指します。
積立投資の初期段階では、貯金との違いはそれほど大きくありません。
しかし、運用期間が長くなるにつれて利益が積み重なり、後半になるほど資産の増え方が加速していきます。
6. まとめ:新NISAによる長期・積立投資で、将来に向けた資産形成を
将来を見据えた確実な資産づくりにおいて、「始めるタイミング」と「運用の継続期間」は極めて重要な鍵を握っています。
特に「投資期間の長さ」は複利効果を十分に引き出すために欠かせないポイントであり、長期的に取り組むほど最終的な成果に好影響を及ぼします。
将来の正確な市場動向や運用結果を完璧に予測することはできませんが、長期的な視点を持って運用し続けることで、預金よりも高いリターンを得られる可能性は高まります。
新NISA口座を活用して資産づくりをスタートする際は、日々の暮らしを圧迫しない無理のない金額に設定し、焦らずじっくりと積立投資を継続していくことを意識しましょう。
ここで大切にしていただきたいのが、記事にもある「複利効果は時間が長いほど効いてくる」という点です。実際、シミュレーションを見ても積立の前半は預金との差がそれほど目立たず、後半にかけて差が加速度的に広がっていきます。つまり「始めるタイミングを完璧に見極めよう」とすることよりも、「まず始めて期間を確保すること」自体に大きな価値があるといえるでしょう。相場のよいタイミングを狙って先送りするうちに、複利が働く期間そのものを失ってしまうケースを、現役時代に何度も目にしてきました。
また、預金と投資は「どちらか一方を選ぶもの」ではなく、役割が異なるという点もお伝えしたいポイントです。生活防衛資金として当面使う予定のない資金は預金で確保しつつ、当面使わない余剰資金を新NISAで積立に回すという「使い分け」が、多くのお客様にとって無理なく続けられる現実的な選択でした。
もちろん投資である以上、元本割れのリスクはゼロではありません。だからこそ、月々の金額は生活を圧迫しない範囲に設定し、相場の変動に一喜一憂せず長期で淡々と継続する姿勢が何より重要です。まずは少額からでも一歩を踏み出し、時間を味方につけることを意識してみてはいかがでしょうか。
【免責事項】
- 本記事は、公開されている公的資料および一般的な情報に基づき作成されたものであり、特定の制度・金融商品・投資行動を推奨するものではありません。
- 掲載している数値・制度内容・シミュレーション結果は、一定の前提条件のもとでの試算または一般的な事例であり、実際の金額・支給要件・税制・運用成果等を保証するものではありません。制度内容は法改正・自治体運用・経済状況等により変更される可能性があります。
- 投資に関する記述は、将来の運用成果を示唆または保証するものではなく、元本割れを含むリスクが存在します。本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。最終的な投資判断は、ご自身の責任において行ってください。
参考資料
中本 智恵







