老後の生活を支える柱となる「公的年金」。しかし、物価の上昇や将来の受給額への懸念から、「今のままの貯蓄ペースで本当に大丈夫なのだろうか」「年金だけで足りない分はどこから補填すればよいのか」と不安を抱く方は少なくありません。

老後資金の計画を立てる第一歩は、まず「自分が公的保障でいくら受け取れるのか」という現状を正確に把握することです。今回は、公的年金の平均受給額の目安と、一定の要件を満たす場合に上乗せ支給される「老齢年金生活者支援給付金」の2026年度基準に基づく試算について分かりやすく解説します。


この記事では「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説」を引用しています。

この記事の3つのポイント

  •  2026年度の年金生活者支援給付金の基準額は月額5620円
  •  保険料の納付・免除状況によって年金額と給付額は大きく変動
  •  年金だけで足りない分は早めの現状把握と資産の最適化がカギ

公的年金の平均受給額はいくら?

厚生労働省の公表データ等によると、公的年金の平均受給額(月額)の目安は以下のようになっています。

老齢厚生年金(会社員・公務員など)

厚生年金の平均額(全年齢)1/4

厚生年金の平均額(全年齢)

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 〈全体〉平均年金月額:15万289円
  • 〈男性〉平均年金月額:16万9967円
  • 〈女性〉平均年金月額:11万1413円
    ※国民年金の金額を含みます。

老齢基礎年金(自営業・専業主婦など)

国民年金の平均額(全年齢)2/4

国民年金の平均額(全年齢)

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 〈全体〉平均年金月額:5万9310円
  • 〈男性〉平均年金月額:6万1595円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万7582円

※実際の受給額は、現役時代の加入期間や収入(標準報酬月額・標準賞与額)によって個人差があります。

現役時代の生活水準や住居費、健康状態によっては、公的年金だけで毎月の生活費をすべて賄うのは難しいケースも多く、多くの方が「プラスαの備え」を必要としています。

橋本 優理
平均額はあくまで全体の目安です。ねんきん定期便や『ねんきんネット』を活用し、ご自身の『将来の受給予想額』と見込まれる生活費のギャップ(不足額)をあらかじめ把握しておくことが、具体的な対策のスタート地点になります。

年金生活者支援給付金とは?2026年度の給付基準額

公的年金だけでは収入が低い方を対象に、生活を支援する目的で支給されるのが「年金生活者支援給付金」です。老齢基礎年金を受給している方のうち、所得や世帯の非課税条件などを満たす場合に支給されます。

2026年度における老齢年金生活者支援給付金の給付基準額は、月額5620円に設定されています。

支給要件を満たし、国民年金保険料を40年間(480カ月)すべて納付済みの場合は毎月5620円が支給されます。

この場合、老齢基礎年金の満額(月額7万608円/昭和31年4月2日以降生まれの方)と合わせると、受給総額は月額7万6228円となります。

【納付状況別】給付金額・年金額の試算表(2026年度版)

保険料の納付状況や免除期間によって、実際に受け取れる給付金および老齢基礎年金の額は大きく異なります。以下は、支給要件を満たした方(1956年4月2日以降生まれ)の納付パターン別の概算シミュレーションです。

納付状況別:給付金額・年金額の試算表4/4

納付状況別:給付金額・年金額の試算表

出所:日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」をもとに試算の上LIMO編集部作成

(1956年4月2日以降に生まれた方のケース)

  • 保険料を480カ月納付(免除なし):給付金5620円+老齢基礎年金7万608円=合計7万6228円
  • 保険料を400カ月納付(免除なし):給付金4683円+老齢基礎年金5万8840円=合計6万3523円
  • 保険料を360カ月納付(120カ月は全額免除):給付金7157円+老齢基礎年金6万1782円=合計6万8939円
  • 保険料を300カ月納付(180カ月は全額免除):給付金7926円+老齢基礎年金5万7369円=合計6万5295円
  • 保険料を240カ月納付(240カ月は全額免除):給付金8694円+老齢基礎年金5万2956円=合計6万1650円
  • 保険料を240カ月納付(免除なし):給付金2810円+老齢基礎年金3万5304円=合計3万8114円
  • 保険料を120カ月納付(360カ月は全額免除):給付金1万231円+老齢基礎年金4万4130円=合計5万4361円
  • 保険料を120カ月納付(免除なし):給付金1405円+老齢基礎年金1万7652円=合計1万9057円
  • 保険料の納付なし(480カ月すべて全額免除):給付金1万1768円+老齢基礎年金3万5304円=合計4万7072円

※上記の数値は1956(昭和31)年4月2日以降に生まれた方を対象としています。
※老齢基礎年金額は、免除期間を2分の1(国庫負担分)で評価した概算値です。

橋本 優理
年金生活者支援給付金は、支給対象の要件を満たしていても自動で振り込まれるわけではなく、原則として『請求手続き(申請)』が必要です。対象となる可能性のある方には日本年金機構から案内書類が届くため、もらい漏れがないよう注意しましょう。

公的保障の現実を知り、自分に合った「プラスα」の準備を

公的年金や給付金制度は老後の貴重な基盤ですが、満額受給できたとしても「これだけで十分な生活費をカバーできる」と言い切るのは難しいのが現実です。

老後の不安を解消するためには、まずはご自身の「見込み受給額」を把握したうえで、不足する部分を「いつ・どのように補填するのか」という具体的で効率的な資産づくりの視点を持つことが不可欠となります。