3. 本格導入までの「つなぎ」として検討される経過措置
給付付き税額控除の本格導入は令和11年度が目標とされていますが、それまでの物価高対応として、令和9年(2027年)4月から2年間限定の「つなぎ」措置を実施する案が示されています。
主な内容は「食料品にかかる消費税負担の軽減」と「中低所得の現役勤労者への現金給付」です。
3.1 飲食料品にかかる消費税負担の軽減
令和9年4月1日から、軽減税率の対象となっている飲食料品全般について、消費税率を現在の8%から1%へ引き下げる方向が検討されています。
当初は「食料品の消費税率をゼロ%にする」案もありました。しかし、仕入税額控除や事業者の事務負担、財源の確保、高所得者ほど恩恵を受けやすい逆進性といった課題があるとされ、1%への引き下げが議論されています。
3.2 中低所得の現役勤労者への現金給付
あわせて、中低所得の現役勤労者には、現金給付を先行して実施する案も示されています。給付額は、飲食料品にかかる消費税1%相当分の範囲内とされる見通しです。
所得の把握には、現時点で公的機関が保有している所得情報を活用する方向となっています。
3.3 本格制度との違い
なお、つなぎ措置は本格制度と完全に同じ仕組みではありません。主な違いとして、次の点が挙げられます。
- 子どもへの加算は、本格制度では18歳以下が対象とされる一方、つなぎ措置では15歳以下が対象となる見通し
- 本格制度で予定されている「配偶者の所得を考慮する例外措置」は、つなぎ措置には設けられない方向
つまり、令和9年4月からの2年間は、食料品の消費税率引き下げと現金給付を組み合わせ、本格導入までの家計支援を行う期間として案がまとめられています。
ただし、実務者会議内でも事業者負担や給付制度との関係を巡って様々な意見が存在しており、最終決定に向けた調整には不確定要素も残されています。
4. まとめ
給付付き税額控除は、中低所得の現役勤労者を主な対象として、所得に応じた支援を行う仕組みとして検討されています。
本格導入は令和11年度が目標とされており、具体的な給付額や所得基準、財源などは今後の制度設計で詰められる予定です。
また、本格導入までのつなぎ措置として、令和9年4月から2年間、飲食料品にかかる消費税率を1%に引き下げる案や、所得連動型の現金給付を先行実施する案も主要な選択肢として提示されています。
ただし、実務面での課題や制度設計をめぐっては慎重論もあり、スケジュールや細部については今後の国会審議や追加検討によって変動する可能性があります。
給付付き税額控除は、一律給付や通常の減税とは異なり、所得や家計の状況に応じて支援を調整しやすい点が特徴です。今後の議論を確認しながら、自分の家計にどのような影響があるのか見ていきましょう。
参考資料
- 内閣官房「社会保障国民会議 給付付き税額控除等に関する実務者会議(第16回) 議事次第 中間とりまとめ(案)」
- 内閣官房「社会保障国民会議 給付付き税額控除等に関する実務者会議(第18回) 議事次第 中間とりまとめ(案)」
- 内閣官房「第12回給付付き税額控除等に関する実務者会議(令和8年5月27日) 給付付き税額控除のイメージ」
加藤 聖人