最近、バスの運転士が足りないというニュースをよく耳にしませんか?
筆者の近所の学校でも、運転士不足が原因で、学校行事に支障が出た、ということがありました。
その他にも、地域のバスの便数が減ったり、路線がお休みになったり、廃止されたりすることが増えており、深刻な問題となっています。
そんな中、東京都はバスの路線を維持し、運転士に長く安心して働いてもらうための新しいサポート制度「バス運転士定着支援特別手当事業補助金」をスタートさせました。
本記事では、他のニュースだけでは分かりにくい「具体的な補助金の金額」や「対象となる会社・運転士の細かなルール」、「申請のスケジュール」などを、要件別にわかりやすく解説します。
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1. 【東京都「バス運転士定着支援特別手当事業補助金」】補助金の内容は?「金額」と「手当の新設」に注目
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この制度のいちばんのポイントは、なんといっても手厚い金額のサポートです。運転士への手当だけでなく、会社側の負担にも配慮された仕組みになっています。
1.1 ①運転士1人あたり:月額1万円(年間12万円)
同じバス会社の中で、勤続1年目から10年目までの運転士(または今まさに訓練中の人)に対して、月額1万円が支援されます。
1.2 ②会社負担の「社会保険料」も15%プラス
手当を新しく支給すると、会社が支払う社会保険料(雇用主の負担分)も増えますが、その点もこの補助金はカバーされます。
手当の支給に伴って発生する社会保険料の会社負担分として、支給額の15%(1人あたり月額1500円)にあたる経費がセットで一括交付されます。
実質的「1人あたり月額1万1500円(年間13万8000円)相当」の補助が受けられる計算になります。
なお、この補助金をもらうためには、今すでに支給している基本給や別の手当をそのまま充てることは認められません。
必ず新しく「バス運転士定着支援特別手当」という名称の手当を会社の中で作り、運転士に新設支給する必要がある、ということに注意が必要です。
2. 【東京都「バス運転士定着支援特別手当事業補助金」】補助金をもらえる「運転士」「事業者」の要件
この補助金を申請するためには、バス会社(事業者)および運転士が次のすべての条件を満たしている必要があります。
2.1 事業者の要件
①東京都内に本社、または営業所があること
②決まったルートやダイヤで走る「路線バス」の会社であること
ただし、市や町の区域を大きく越えて、走る長さが概ね50キロ以上の長距離高速バスの路線「だけ」を運行している会社は除きます
③運転士の労働環境をよくする取り組みを行っていること
例えば、DX技術を導入して運転士の負担を減らす取り組み、女性や外国人の方が活躍できるような環境づくり、人材開発の支援などに、今取り組んでいるか、または今年度中に取り組む具体的な計画があることが必要です
④住宅手当の支給や、住まいのサポート制度があること
会社の給与の決まりなどで、運転士に対して「住宅手当」などの住まいに関する手当を実際に支給しているか、または社宅の提供など、住まいを支える福利厚生の仕組みが整っている必要があります。
2.2 運転士の要件
手当が支給される運転士本人にも、満たすべき決まりがあります。
①バス会社に直接雇用されていること
正社員だけでなく、パートやアルバイトなどの非常勤の形式で働いている方も対象になります)
②原則として、東京都内の営業所で働いていること
③働く時間が「週20時間以上」または「月80時間以上」であること
④決まったルートを走る路線バスの業務を行っている、またはそのための訓練中であること
⑤その会社での勤続年数が1年目から10年目までであること
なお、運転士自身の住んでいる場所(居住地)はどこであっても問題ありません。(都外から通勤している方も対象になります)。
ただし、東京都からすでに別の「住まいに関する支援」を個別に受けている場合は、今回の手当の対象外となるので注意が必要です。
3. 【東京都「バス運転士定着支援特別手当事業補助金」】補助対象期間と申請スケジュール
今回の補助金スケジュールは以下の通りです。
3.1 補助の対象となる期間
2026年4月1日〜2027年3月31日まで
この事業は、2026年4月1日にさかのぼって(過去の分も含めて)補助の対象とすることが可能です。
3.2 会社からの申請受付期間
2026年8月1日〜2026年10月30日まで
バス会社は、この約3ヶ月の期間の間に東京都へ交付の申請を行う必要があります。
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いかがでしょうか。
東京都が新しくスタートさせた「バス運転士定着支援特別手当事業補助金」は、運転士不足に悩むバス業界にとって、大きな安心材料となる制度です。
「月1万円の補助」だけでなく、会社負担の社会保険料(15%)までカバーしてくれる点や、アルバイト等の非常勤でも労働時間を満たせば対象になる点など、手厚いメリットがあることがわかります。
バス会社にとっては、今働いている大切な運転士さんの離職を防ぎ、さらに新しい仲間を迎え入れやすくできる機会になりそうです。
参考資料
長島 迪子