4. 「年金が多い地域=老後が安泰」とは限らない

「神奈川県や千葉県に住めば老後が安心」というわけではありません。ここには「生活費(特に住居費)」の落とし穴があります。

  • 都市部(上位県): 年金受給額は多いが、家賃・物価・固定資産税が高い。持ち家がない場合、高い年金も家賃で消えてしまう。
  • 地方(下位県): 年金受給額は低いが、持ち家率が高く生活費が抑えられる場合がある。

いくら受給額が多くても、支出が多ければ手元に残るお金は増えません。「年金額の多さ」単体ではなく、「地域の生活コストとのバランス」で捉える必要があります。

5. 【FP解説】データから考える「自分の老後」を守る3つの具体策

「平均15万円」という数字は、あくまで他人の平均です。このデータから学び、自分の老後資金を確保するために今からできるアクションは3つあります。

5.1 「ねんきんネット」で自分の見込み額を把握する

全国平均(15万円)や地方平均に一喜一憂しても意味はありません。まずは「ねんきんネット」や年金定期便で、自分が将来いくらもらえるのかを正確に把握しましょう。

5.2 厚生年金の加入期間を「長く」「深く」する

年金額(報酬比例部分)を増やす確実な方法は2つです。

  • 働く期間を延ばす: 60歳以降も厚生年金に加入して働く(70歳まで加入可能)。
  • 社保加入で働く: パート・アルバイトでも、週20時間以上などの要件を満たして厚生年金に加入する(国民年金+厚生年金の2階建てにする)。

5.3 国民年金のみ(または年金が少ない)層は「自衛」を始める

国民年金の全国平均は5万9431円です。厚生年金の上乗せがない方や、厚生年金の受給見込みが10万円以下の方は、現役時代からiDeCo(個人型確定拠出年金)やNISAを活用した計画的な資産形成が必須となります。

橋本 優理

年金の受給額は、働き方や現役時代の収入によって大きく異なります。筆者がライフプランニングをしてきた中でも、自分が年金をいくら受け取れるか、把握していない人がほとんどでした。これを機に、ねんきんネット等でご自身の年金額を確認してみましょう。

老後に向けた資産形成は、若いうちから取り組んでおくのがカギとなります。早めに資産計画を立てるよう心がけましょう。

参考資料

橋本 優理