2. 65歳以降の年金受給モデル「厚生年金メイン vs 国民年金メイン」で比べてみると? 

日本の公的年金制度は、働き方によって加入する年金の種類が異なります。

厚生労働省が公表した「多様なライフコースに応じた年金額(概算)」をもとに、男性の働き方別のモデル年金を見てみましょう。

2.1 ライフコース別《65歳以降の年金めやす》2つのパターン

① 会社員経験が長い男性(厚生年金が中心)

  • 想定: 平均収入50.9万円(年収約610万円)で39.8年間就業
  • 年金月額の目安: 17万6793円

この「年収約610万円」という想定は、先ほど確認した現在の正社員男性の平均給与(609万円)に近い金額ですが、あくまで「現役時代(若い頃から定年まで)の約40年間の平均年収」である点に注意が必要です。

給与が低い傾向にある20代などの若手時代も含めた「生涯の平均値」であるため、現在の年収と単純比較できるものではないことを念頭に置いておきましょう。

② 自営業・フリーランスの男性(国民年金が中心)

  • 想定: 厚生年金加入期間7.6年(平均収入36.4万円)
  • 年金月額の目安: 6万3513円

会社員が加入する厚生年金が「現役時代の収入」に比例して年金額が増えるのに対し、自営業などの国民年金は「収入にかかわらず加入期間で決まる定額制」です。

そのため、現役時代にどれほど高収入であっても、公的年金だけで月額7万円程度を超えることは原則ありません。

会社員以上に、iDeCo(個人型確定拠出年金)や新NISAなどを活用した「自分年金」作りが必須となる層だと言えます。

2.2 働き方でこれだけ違う老後の収入

同じ男性であっても、現役時代の働き方によって、将来の年金額には月額11万円以上の大きな差が生じることがわかります。

国民年金は加入期間によって定額で計算されますが、報酬比例である厚生年金においては、就業期間の長さや現役時代の収入の差がダイレクトに老後の受給額に直結します。

厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、男性の厚生年金の平均は月額約16万9967万円、国民年金の平均は月額約6万1595円となっており、月額で11万円ほどの大きな格差が存在しています(2024年度末)。

自営業やフリーランスなど国民年金が中心となる方は、公的年金以外の収入源を現役時代からしっかり確保していく視点が大切です。

また会社員であっても、現役時代の年収が先ほどのモデルケース(約610万円)を下回っていれば、将来受け取る厚生年金の額も比例して少なくなります。

「厚労省のモデルケースで17万円もらえるから安心」と思い込むのではなく、「ねんきん定期便」などを確認し、リアルな見込額をもとに資金計画を立てていきましょう。