日々の買い物で「また高くなったな」と感じることはありませんか。

総務省統計局が公表した「2020年基準 消費者物価指数 全国 2026年(令和8年)5月分(2026年6月19日公表)」によると、生鮮食品を除く総合指数は前年同月比で1.4%上昇しました。

モノの値段が上がり続けるインフレ下においては、銀行にお金を預けているだけでは実質的な資産価値が目減りしてしまう可能性があります。

そこで本記事では、物価高から資産を守る手段として注目される「新NISA」を活用した積立投資のシミュレーションをご紹介します。 税制優遇を受けられる「新NISA」を活用すれば、通常なら運用益にかかる約20%の税金が非課税になるため、より効率的な資産形成が可能になります。

積立投資の大きなメリットは、最初の設定さえ完了すれば、基本的には「ほったらかし」で自動的に運用を続けられる点にあります。本記事では、新NISAで「毎月3万円」「毎月5万円」をほったらかし運用した場合の将来シミュレーションを詳しく解説します。

※投資信託は元本割れのリスクがあります。また運用成果は後にならなければわからないため、あらかじめご留意ください。

1. 新NISA制度の基本的な仕組み

新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という2つの枠が用意されており、これらは同時に併用して利用することができます。

1.1 つみたて投資枠の特徴

  • 年間投資上限額:120万円
  • 投資対象商品:長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託

1.2 成長投資枠の特徴

  • 年間投資上限額:240万円
  • 投資対象商品:上場株式や投資信託など幅広いラインナップ

1.3 知っておきたい共通のルール

  • 非課税保有期間:無期限
  • 非課税保有限度額(総枠):1800万円(うち成長投資枠は1200万円まで)※保有商品を売却すれば翌年以降に枠の再利用が可能

新NISAでは、つみたて投資枠で年間120万円、成長投資枠で年間240万円、あわせて年間最大360万円まで投資を行うことが可能です。また、一生涯で使える非課税保有限度額は全体で1800万円となっており、途中で売却すれば翌年以降にその分の投資枠が復活して再利用できるようになりました。

非課税期間が無期限化されたことで、旧制度よりもさらに長期にわたる「ほったらかし」運用がしやすくなっています。

2. 【積立試算】毎月3万円・5万円をほったらかし運用した成果一覧

毎月一定の金額を定期的に買い付ける積立投資は、価格が下がっているときには多くの量を、高くなっているときには少ない量を自動的に買い付ける仕組み(ドル・コスト平均法)です。

このアプローチにより、長期間継続することで購入単価が平準化され、高値掴みのリスクを抑えられるメリットがあります。

実際の運用成果は将来の市場動向に左右されますが、事前にシミュレーション結果を確認しておくことで、将来的な資産の到達目標や目安をイメージしやすくなるでしょう。

ここでは、10年間から30年間運用を続けた場合について、想定年利(3%〜6%)ごとのシミュレーション結果をまとめました。

2.1 毎月3万円を積み立てた場合のシミュレーション結果

毎月3万円を積み立てた場合の、投資期間と想定利回りごとの運用成果(元本+運用益)の目安は以下の通りです。

月3万円のシミュレーション結果一覧表2/3

月3万円のシミュレーション結果一覧表

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

10年間【元本:360万円】

  • 利回り 3%: 418万円
  • 利回り 4%: 440万円
  • 利回り 5%: 463万円
  • 利回り 6%: 487万円

15年間【元本:540万円】

  • 利回り 3%: 679万円
  • 利回り 4%: 734万円
  • 利回り 5%: 794万円
  • 利回り 6%: 861万円

20年間【元本:720万円】

  • 利回り 3%: 981万円
  • 利回り 4%: 1092万円
  • 利回り 5%: 1217万円
  • 利回り 6%: 1360万円

25年間【元本:900万円】

  • 利回り 3%: 1330万円
  • 利回り 4%: 1527万円
  • 利回り 5%: 1757万円
  • 利回り 6%: 2029万円

30年間【元本:1080万円】

  • 利回り 3%: 1736万円
  • 利回り 4%: 2056万円
  • 利回り 5%: 2446万円
  • 利回り 6%: 2924万円

毎月3万円を積み立てるケースでは、投資期間が長くなるほど複利の効果を実感しやすくなります。例えば15年間の運用を続けた場合、投資元本540万円に対して、年利4%の運用であれば734万円まで資産が成長する計算です。

2.2 毎月5万円を積み立てた場合のシミュレーション結果

次に、毎月の積立金額を5万円に増やした場合のシミュレーション結果を確認していきましょう。

月5万円シミュレーション結果3/3

月5万円シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

10年間【元本:600万円】

  • 利回り 3%: 697万円
  • 利回り 4%: 733万円
  • 利回り 5%: 772万円
  • 利回り 6%: 812万円

15年間【元本:900万円】

  • 利回り 3%: 1131万円
  • 利回り 4%: 1223万円
  • 利回り 5%: 1324万円
  • 利回り 6%: 1435万円

20年間【元本:1200万円】

  • 利回り 3%: 1634万円
  • 利回り 4%: 1819万円
  • 利回り 5%: 2029万円
  • 利回り 6%: 2267万円

25年間【元本:1500万円】

  • 利回り 3%: 2217万円
  • 利回り 4%: 2544万円
  • 利回り 5%: 2929万円
  • 利回り 6%: 3381万円

30年間【元本:1800万円】

  • 利回り 3%: 2894万円
  • 利回り 4%: 3426万円
  • 利回り 5%: 4077万円
  • 利回り 6%: 4873万円

月額の積立額を5万円まで増額すると、資産形成のスピードはさらに加速します。期間20年、年利4%の運用であれば、最終的な資産額は1819万円に到達する投資効果が期待できます。

元手となる毎月の投資金額が大きくなるほど、生み出された利益がさらに利益を生む「複利の効果」が雪だるま式に大きくなっていくことが分かります。

※なお、これらの数値は算出条件に基づくシミュレーションであり、将来の運用成果を確約するものではありません。実際の投資では、市場環境によって元本割れが発生するリスクがある点に留意してください。

3. 新NISAでほったらかし投資を始める際の注意点

新NISAは非常に魅力的な制度ですが、実際に資産運用をスタートする前に、いくつか押さえておくべき重要な注意点があります。

3.1 金融機関ごとに取り扱い商品やサービスが異なる

NISAの口座は1人につき1つの金融機関でしか開設できません。金融機関によって選べる投資信託のラインナップ数や、クレジットカード積立によるポイント還元率、サポートの手厚さなどが大きく異なります。長期にわたって利用することを前提に、自分に合った金融機関を慎重に選びましょう。

3.2 自身のリスク許容度に応じた無理のない設定を行う

新NISAになって投資上限額が拡大され、非課税期間が無期限になったことで、自由度の高い運用が可能になりました。

だからこそ、自分がどれほどの価格変動(値動きの幅)に耐えられるかという「リスク許容度」を冷静に見極めることが重要です。家計を圧迫しない範囲の積立金額や、自身の目的・性格に合った商品選びを心がけてください。

3.3 相場の急落・暴落時における行動ルールを事前に決めておく

積立投資は、長期にわたって継続することで初めてその効果を十分に発揮する手法です。しかし、運用を続ける中では、世界的な経済危機などで株価が大幅に下落する局面に直面することもあります。

こうした暴落時に狼狽して途中で売却してしまわないよう、「一時的にマイナスになっても淡々と買い増しを続ける」「どのようなタイミングで将来売却するか」といったマイルールを事前に定めておくと、いざというときも冷静に対処できます。

3.4 他の課税口座との損益通算や繰越控除は利用できない

NISA口座内で発生した運用の損失は、他の課税口座(特定口座や一般口座)で得た利益と相殺(損益通算)することができません。

また、損失を翌年以降に繰り越して翌年の税金を抑える「繰越控除」も適用外となるため、制度が持つ特有のルールや仕組みを正しく把握しておく必要があります。

4. シミュレーションを参考に、自分に合った資産形成を

物価高が止まらない昨今、新NISAを活用した積立投資は、最初の設定さえ適切に行えば「ほったらかし」で長期的な資産形成を目指せる仕組みです。

今回確認したシミュレーションの通り、毎月の積立額や運用を続ける期間、想定される利回りの設定によって、将来的に手元に残る資産の規模は大きく変わってきます。

ただし、試算された数値はあくまで運用の計画を立てるための目安にすぎません。大切なのは、ご自身の具体的な目標金額や、毎月無理なく投資に回せる余剰資金の額をしっかりと見極めることです。

将来に備えて資産運用を始めたいと考えている方は、まずは現在の家計の収支状況を一度整理し、少額からでも無理のない金額を設定して情報収集や準備を進めてみてはいかがでしょうか。

【免責事項】

  • 本記事は、公開されている公的資料および一般的な情報に基づき作成されたものであり、特定の制度・金融商品・投資行動を推奨するものではありません。
  • 掲載している数値・制度内容・シミュレーション結果は、一定の前提条件のもとでの試算または一般的な事例であり、実際の金額・支給要件・税制・運用成果等を保証するものではありません。制度内容は法改正・自治体運用・経済状況等により変更される可能性があります。
  • 投資に関する記述は、将来の運用成果を示唆または保証するものではなく、元本割れを含むリスクが存在します。本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。最終的な投資判断は、ご自身の責任において行ってください。

参考資料