4.2 社会保険の適用拡大で「加入要件」はどう変わるのか?
現行の制度で、パートタイムなどで働く短時間労働者が社会保険に加入するためには、以下の5つの要件をすべて満たす必要があります。
- 週の所定労働時間が20時間以上であること
- 2カ月を超える雇用の見込みがあること
- 学生ではないこと
- 所定内賃金が月額8万8000円以上であること(賃金要件)
- 従業員数51人以上の企業で働いていること(企業規模要件)
今後の法改正により、このうち4番目の「賃金要件」と5番目の「企業規模要件」が撤廃される方向で決定しています。
この見直しによって、いわゆる「106万円の壁」の根拠となっている賃金要件は、全国の最低賃金の引き上げ状況を考慮しつつ、3年以内に廃止される方針です。
また、企業規模の要件についても、10年かけて段階的に撤廃されることになっています。
5. まとめ
ここまで、厚生年金と基礎年金を合わせて、額面で「ひとり月額15万円(年額180万円)以上」を受け取っている人の割合や、「106万円の壁」について解説しました。
公的年金の受給額は一律ではなく、現役時代の働き方などによって大きく異なります。
平均的な年金受給額を知ることで、ご自身の理想とする老後の生活スタイルに対して、どれくらい備える必要があるのかをイメージするきっかけになったのではないでしょうか。
年金に関する情報は、日本年金機構の「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認できます。
もし老後の生活において年金額が「足りない」と感じた場合は、実際に不足する額がいくらくらいになるのか、それに対して今からどのような手段で備えていくのかなど、見直す機会にしていただければ幸いです。
老後は現役時代と比べて、収入が減少する傾向にあります。
それぞれ異なるライフスタイルや家計状況をもとに、ご自身に合った資金計画を立ててみてはいかがでしょうか。
※当記事は再編集記事です。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
- 政府広報オンライン「パート・アルバイトの皆さんへ 社会保険の加入対象により手厚い保障が受けられます。」
- 厚生労働省「年収の壁・支援強化パッケージ」に関するQ&A(キャリアアップ助成金関係)
- LIMO「次回の年金支給日は8月14日【厚生年金+基礎年金】額面で「ひとり月額15万円(年額180万円)以上」受給する人は何パーセント?」
