6. まとめにかえて

後期高齢者医療制度では、課税所得28万円以上かつ年金収入等が単身200万円以上で、窓口負担が2割になります。配慮措置は終了したため、該当しそうな人は影響を把握しておきましょう。

そのうえで、医療費への備えは保険一辺倒ではなく、公的制度と自前の貯蓄を組み合わせる発想が合理的です。高額療養費制度という土台を理解し、自分に必要な備えを見極めたいところです。

7. 【監修者のコメント】この記事の総括とこれからの実務上の注意点

齊藤慧

「本記事で解説されている『公的医療保険の仕組み』と『貯蓄による備え』は、シニア世代の家計防衛において非常に重要な視点となります。

起こりうるのが、将来の病気への不安から複数の民間医療保険に加入し、その高額な保険料の支払いで日々の生活費が圧迫されてしまっているケースです。

日本の公的医療保険制度は手厚く設計されており、高額療養費制度を利用すれば、ひと月の医療費の自己負担には年齢や所得に応じた上限が設けられます。そのため、万が一の医療費による家計の破綻リスクは限定的です。

過度な不安から用途が限定される民間保険に資金を振り向けるのではなく、まずは公的保障の仕組みを正しく理解すること。その上で、何にでも使える自由度の高い『貯蓄』として手元に現金を確保しておくという基本セオリーを実践することが、将来のキャッシュフローを安定させる備えとなります

参考資料

柴田 充輝